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ミニミニ新聞

2024年 1月号 《 vol.101-3 》

謎の多い干支と辰年

謎の多い干支と辰年

新たな年が明け、2024年が始まりました。
皆さんご存知のように、今年は十二支の5番目にあたる辰年です。
干支は、戦国時代の中国天文学で、空を12等分した名称として十二支が使われていたものが、長い年月とともに暦を表す記号として使われるようになったと言われています。
十二支のそれぞれの意味については諸説あり、由来などについても正確な情報はなく謎に包まれているため、十二支の中で唯一架空の動物である辰(龍)が選ばれた理由についても解明されていません。
干支は、西アジアや東ヨーロッパでも使われておりますが、日本の辰年は、アラビアではワニ年、イランではクジラ年になります。
日本では、辰年に大きな出来事が多く、2012年の東京スカイツリーの開業や1964年の東京オリンピックのほか、青函トンネル・瀬戸大橋の開業がありました。
また、辰年生まれの人は、表裏がなく大らかな性格でリーダーシップを発揮するとも言われているようです。
科学的根拠はありませんが、星座や血液型のように、干支で性格診断をされてみるのも興味深いと思います。

2024年 1月号 《 vol.101-2 》

歯周外科実習セミナー

歯周外科実習セミナー

先日、重度に進行した歯周病の治療法の一つである歯周外科治療実習セミナーに参加しました。
セミナー講師を務められたのは、JIADS(ジアズ)という主に歯周病治療を学ぶ日本を代表するスタディグループ(研修団体)の理事長である松井先生と、同じくJIADSに所属する4名の認定インストラクター(歯科医師)でした。
歯周病は、自覚症状がないまま進行する特徴があり、歯ぐきからの出血や歯が揺れるなど自覚する症状が現れたときには重度に進行しており、最悪の場合は歯を抜くことになってしまいます。
また、歯を失う原因で最も多いのが歯周病で、30代以降の約80%の人は罹患しているという調査結果もあります。
今回のセミナーでは、豚の顎の骨を使っての臨床実習も行ない、重度に進行した歯周病治療に有効な歯周外科治療について実践的に学ぶことができました。
高い技術と知識を習得することで、重度の歯周病を改善し、安心して生活を送ることができる健康を届けていきます。
副院長 横山有子

2024年 1月号 《 vol.101-1 》

新年のご挨拶

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年は、どのようなお正月を過ごされましたか?
新たに目標を立てたという方も多いのではないでしょうか?
昨年は、臨床勉強会の参加や、学会などに参加し学びの多い一年となりました。
また、このミニミニ新聞は昨年12月で100号を迎えることもできました。
変化の多い時代ではありますが、当院は、患者様はじめ地域の皆様や共に働くスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、基本を大切に一人ひとりの患者様の健康をお守りしていきます。
2024年も、皆様の健康と笑顔につながる歯科医療を目指した成長を継続していくためにも、様々なことに挑戦していきたいと思います。
本年も、横山歯科クリニックをどうぞ宜しくお願い致します。

2023年 12月号 《 vol.100-3 》

ミニミニ新聞100号

ミニミニ新聞100号

ミニミニ新聞は、今月で第100号を迎えることができました。
当院が移転リニューアル開院する前の2015年9月号からスタートし、一人ひとりの患者様へお渡ししてきました。
ミニミニ新聞をスタートさせるときには、毎月作成することや、お渡しの際に受け取りを断られることなどへの不安もありましたが、ミニミニ新聞を読まれた患者様から「口腔健康への意識が変わった」「定期検診の大切さを知った」などの声を頂けたことで、発刊を続けることが出来ました。
現代では、ネットで検索すれば歯科治療についての情報は溢れていますが、全てが正しい情報とは限りません。
これからも、ミニミニ新聞を継続し、歯科治療や口腔の健康を守るために大切な情報を届けていきたいと思います。
これからもミニミニ新聞をどうぞ宜しくお願い致します。

2023年 12月号 《 vol.100-2 》

歯を失ったまま放置するリスク

歯を失ったまま放置していると、お口の中に様々な影響を与えてしまいます。

歯を失ったまま放置するリスク

放置する期間が長いことで、大きくバランスを崩してしまうと、元に戻すためには矯正治療を行うなど、長い治療期間と治療費がかかります。
むし歯や歯周病の治療と同じく、歯を失った場合には、どのようにそれを補うのか、将来の健康につながる治療法を考えることが大切です。

2023年 12月号 《 vol.100-1 》

噛めないことで崩れる栄養バランス

むし歯や歯周病などの小さな疾患がドミノを倒すように連鎖することで、全身の健康にとって重大な疾患につながることをご存知でしょうか?
むし歯や歯周病が、大きな疾患につながる要因の一つに「食習慣の変化」があげられます。
むし歯や歯周病によって、歯が残っていてもしっかり食べ物を噛むことができなかったり、歯を失うことで食べにくいものが増えることで、栄養バランスが崩れ、全身の健康にも大きな影響を与えてしまう可能性があります。
下表では、失った歯の数が多いほど、多くの栄養素において摂取量が低下していきますが、お米や麺類、パンなどの炭水化物摂取量だけが増加し、栄養バランスが崩れてしまう傾向を示しています。

噛めないことで崩れる栄養バランス

2023年 11月号 《 vol.99-3 》

健康につながるセラミック治療の特徴

むし歯の治療で、歯を修復するために使用する素材のセラミックの特徴は、美しさだけではありません。
セラミック治療は、①高い治療精度、②安全な素材、③衛生的な素材など、歯科治療として多くの利点があります。
そのほかにも、残っている歯を守ることにつながり、今後のお口の健康にも有益性の高い治療です

健康につながるセラミック治療の特徴

2023年 11月号 《 vol.99-2 》

被せ物の種類と特徴

被せ物の種類と特徴

2023年 11月号 《 vol.99-1 》

大きなむし歯治療の被せ物

大きなむし歯治療の被せ物

先月号のミニミニ新聞(10月号vol.98)では、歯の神経がむし歯菌に感染していない小さなむし歯治療で、削った歯を修復する詰め物について解説しました。
今回は、歯の神経がむし歯菌に感染してしまった場合などの大きなむし歯治療で、歯を修復する被せ物についてご説明します。小さなむし歯でも治療せずに放置していたり、治療した歯が再びむし歯になり何度もむし歯治療を繰り返すことで、被せ物で歯を修復する治療が必要になります。多くの被せ物で歯を修復する歯は、同時に神経を抜く治療が必要になりますが、神経を失った歯は、歯に栄養を送る血管も失うため、歯が弱くなり歯の寿命も短くなってしまいます。
被せ物の治療にならないためには、歯に少しでも違和感があったときには、すぐに歯科医院を受診することが大切ですが、一番大切なことは、歯が健康なときから毎日の正しい歯磨きと、定期的な歯科メンテナンスの受診によって、未然に問題を防ぐための予防に取り組んでいくことです。
また、すでに被せ物で治療している歯がある場合は、将来的に歯を失う可能性が高いため、より予防に取り組むことが大切です。

2023年 10月号 《 vol.98-3 》

人工甘味料は安全?

人工甘味料は安全?

皆さんは、健康な体を維持するために、糖質を抑えた食べ物や飲み物を選ぶことはないでしょうか?
最近では、ビールやコーラ、缶コーヒーなどでも糖質ゼロやカロリーオフの商品が多く店頭に並んでいますが、しっかりと美味しさを感じることができます。
この美味しさを出すために、砂糖の代わりに人工甘味料が使用されていますが、人工甘味料の安全性については度々疑問視されることがあります。
人工甘味料とは、砂糖の代わりに人工的に化学合成された甘い調味料のことで、砂糖の代替甘味料として使用されており、日本国内の大手食品メーカーが製造しているほか、輸入も多く最近は中国産の製品も輸入されています。
人工甘味料にはいくつも種類があり、その多くは厚生労働省から安全性が認められていますが、今年の7月にWHO傘下の国際がん研究機関は、人工甘味料の一つであるアスパルテームの発がん性を発表しました。
また、WHOは人工甘味料がダイエットに役立つという根拠はないという認識も示しています。
アスパルテーム以外の人工甘味料についても、様々な意見がありますが、体内に入れる食べ物や飲み物にどのような原材料が含まれているのかを知ることが大切だと思います。

2023年 10月号 《 vol.98-2 》

詰め物の種類と特徴

詰め物の種類と特徴

2023年 10月号 《 vol.98-1 》

小さなむし歯治療の詰め物

小さなむし歯治療の詰め物

歯の神経はむし歯菌に感染していない小さなむし歯の治療では、むし歯菌に感染してしまった部分を削り取り「詰め物」によって歯を修復する治療を行います。
歯の神経までむし歯菌に感染していない小さなむし歯の治療は、治療期間も短く、治療での痛みを感じない場合もあります。
小さなむし歯治療の詰め物には、保険が適用されるものや保険適用のないものがあり、それぞれに特徴がありますが、生涯自分自身の歯で生活するためには、できるだけ再びむし歯になってしまうリスクを下げる詰め物を選択することも大切です。
初期段階の小さなむし歯をしっかり治療し、治療後は歯磨きと定期的な歯科メンテナンスを受診することで、むし歯の再発リスクを軽減することができます。
治療した歯が、再びむし歯になってしまったり、むし歯になった歯を放置していると、むし歯菌は歯の内部へ進行していき、歯の神経までむし歯菌に感染してしまいます。
歯の神経がむし歯菌に感染すると、神経を取る治療になるだけでなく、神経を失った歯は弱くなり歯の寿命も短くなってしまいます。

2023年 9月号 《 vol.97-3 》

認知症予防のためにできること

厚生労働省の調査では、日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計されており、65歳以上の5人に1人がアルツハイマー型認知症と診断されています。
また、2025年には730万人、2050年には1,016万人がアルツハイマー型認知症と診断される推計もあります。
アルツハイマー型認知症は、40歳頃から静かに進行がはじまり、脳にアミロイドβというタンパク質の塊が蓄積することで発症すると言われています。
主な原因は、生活習慣からの影響が大きいため、日頃の生活を見直すことで発症リスクを軽減することができます。

認知症予防のためにできること

2023年 9月号 《 vol.97-2 》

知覚過敏症の治療と予防

知覚過敏症の治療と予防

噛み合わせの問題や、歯ぎしり・くいしばりのほかにも、むし歯や歯周病でも、視覚過敏症と似た症状が起こりやすくなります。
知覚過敏症を予防するためにも、正しい噛み合わせを維持する治療の選択と、治療後は定期検診を受診し、歯に負担がかかっている状態を早期に発見することが大切です。
また、歯ブラシは力を入れすぎず、優しく磨くように心がけることで、知覚過敏症リスクを抑えることができます。
症状を感じた場合には、すぐに受診することも大切です。

2023年 9月号 《 vol.97-1 》

一瞬の不快を与える知覚過敏症

一瞬の不快を与える知覚過敏症

冷たいものや温かいものを口に入れたときに、一瞬だけ強い刺激を感じたという経験をされた方も多いのではないでしょうか?
この刺激の原因の多くは、知覚過敏症にあります。
日本人の4人に1人は、経験すると言われる知覚過敏症ですが、普段の生活の中でとても不快な症状であり、特に夏はアイスクリームやかき氷、冷たい飲み物を飲食する機会も多いことから、ストレスを抱えて来院される方も多くいらっしゃいます。
知覚過敏症の原因は、噛み合わせと歯磨き方法にあると考えられています。
歯の表面は、エナメル質という硬い組織で覆われていますが、噛み合わせが悪かったり、歯ぎしり・くいしばりがあると、歯の根本に大きな負荷がかかることで、歯の根本のエナメル質が脆くなってきます。
この脆くなってしまった歯の根本に、強い力で歯ブラシを当てて擦ることで、エナメル質が崩壊し、冷たいものなどの刺激が神経に伝わりやすくなる症状が知覚過敏症です

2023年 8月号 《 vol.96-3 》

日本で初めての歯科医師

日本で初めての歯科医師

遠い昔から人類とむし歯の戦いは続いており、紀元前450年頃の古代エジプトでは、歯科医療が行われていたことが分かっています。
また、1723年には、現代歯学の祖先と言われるフランスの医師ピエール・フォーシャルによって、歯科医療に関する論文も発表されています。
日本の歯科の歴史は、1874年(明治7年)に、医師以外の歯科医療を禁じる医制が公布され、医師になるための医術開業試験が誕生し、その翌年に小幡英之助が受験に合格したことで、日本で初めての歯科医師となりました。
日本での正式な歯科医学教育は1906年(明治39年)に公立私立歯科医学校指定規則が定められ、1907年(明治40年)に2校の歯科医学専門学校(共立歯科医学校・現日本歯科大学と東京歯科医学専門学校・現東京歯科大学)が設立されたことに始まります。
その後、歯学部は数を増やし、現在では国立と私立を合わせると29校にもなりました。
長い歴史のある歯科ですが、これからも歯科医療に関わる研究が進み、皆様の口腔健康に貢献していくことを期待しています

2023年 8月号 《 vol.96-2 》

歯を守ることの大切さ②

歯を守ることの大切さ②

歯を失う原因には、むし歯や噛み合わせなどの問題から生じる歯の破折などがありますが、最も多いのが歯周病です。
歯周病は、歯ぐきを弱らせることで歯を支えることができなくなってしまう病気ですが、その他にも、歯周病を引き起こす細菌は、全身の健康にも大きな影響を与えてしまいます。
歯周病は、糖尿病や脳梗塞のほか、誤嚥性肺炎、早産、アルツハイマーなど様々な大病へと繋がる因子になります。
特に、糖尿病への影響があることから、糖尿病を患っている方は歯周病治療をはじめとした口腔ケアに取り組むことが大切になります。
歯の本数が少ないと、食べにくいものも多くなることから、食事の栄養バランスも崩れやすくなってしまうほか、転倒リスクも上がるというデータもあります。
口腔の健康を守り歯を残すためには、毎日の歯磨きと定期健診が欠かせませんが、すでに失われた歯がある方や問題を抱えている方は、問題を解決するための治療を受け、しっかり噛める状態を維持することが大切になります。

2023年 8月号 《 vol.96-1 》

歯を守ることの大切さ①

口腔の健康を守り続けるためのメンテナンスで通院されている方と、口腔に問題があり健康を取り戻す治療のために通院されている方のどちらにも共通しているのは「歯を残したい」という気持ちだと思います。
では、「なぜ歯を残すことが大切なのか」をお考えになられたことはあるでしょうか?
「歯がある方が見た目が良い」「歯がないと食事がしにくい」という理由も多いと思いますが、実は、歯があることと全身が健康であることに深い関わりがあることをご存知でしょうか?
2017年には、東北大学の研究成果として、高齢期に残存歯数が多い人ほど健康で長生きであると発表されました。
この研究で注目するべき点は、歯が20本以上残っている人は、寿命が長いだけでなく、健康寿命も長く、要介護期間も短いということも明らかになったことです。

歯を守ることの大切さ①

2023年 7月号 《 vol.95-3 》

歯を再現する治療セミナー

歯を再現する治療セミナー

5月28日(日)は、「ダイレクトボンディングセミナー」に参加しました。
ダイレクトボンディングとは、むし歯などで歯を削った後に、レジンというプラスチック素材を削った箇所に塗り重ねることで、天然歯のように自然な色や形を再現する治療法です。
このセミナーでは、ダイレクトボンディングにおける明度、彩度、色相、表面性状などの色調に関わる講義のほか、できるだけ歯の削る面積を少なくするための技術についての講義もありました。
また、ダイレクトボンディングの技術を向上させるための実習もあり、とても学びの多いセミナーでした。
当院は、むし歯や歯周病をはじめ、お口の問題を未然に防ぐための予防歯科に取り組んでいますが、むし歯ができたことで来院される患者様もいらっしゃいます。
むし歯などお口に問題が出たときには、長期的にお口の健康が守られる質の高い治療を行うことで、問題が繰り返されないための歯科医療をお届けしています。
今後も質の高い歯科治療につながる活動を継続していきます。

2023年 7月号 《 vol.95-2 》

通院回数が多い入れ歯の治療

歯医者さんを受診されたときに、思っていたよりも通院回数が多かったという経験があると思います。
病気や怪我で病院に行かれても、その日の内にすぐに治ることが少ないように、歯科治療も受診した当日に治るケースは残念ながらほとんどありません。
通院回数の多い治療の一つに入れ歯の治療があります。 入れ歯は、人の生活を支える食事や会話などを正常に機能させるために大切な治療であり、お口の精密な運動に適応するために正確にお口の状態を診断することが重要なポイントになることから、通院回数が多くなってしまいます。

通院回数が多い入れ歯の治療

2023年 7月号 《 vol.95-1 》

お子様の歯を守り続けるために

当院には、子どもがいる方もたくさん来院されています。
子どもの歯をむし歯からどのように守っていけば良いのか?という質問も多く頂きます。
お子様の歯を守るためには、3つの取り組みが大切です

お子様の歯を守り続けるために

2023年 6月号 《 vol.94-3 》

認知症予防のためにできること

厚生労働省の調査では、日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)と推計されており、65歳以上の5人に1人がアルツハイマー型認知症と診断されています。
また、2025年には730万人、2050年には1,016万人がアルツハイマー型認知症と診断される推計もあります。 アルツハイマー型認知症は、40歳頃から静かに進行がはじまり、脳にアミロイドβというタンパク質の塊が蓄積することで発症すると言われています。
主な原因は、生活習慣からの影響が大きいため、日頃の生活を見直すことで発症リスクを軽減することができます。

認知症予防のためにできること

2023年 6月号 《 vol.94-2 》

なぜ?根管治療は通院回数が多いの?

歯根の治療である根管治療には、大きく分けて2つあります。

なぜ?根管治療は通院回数が多いの?

2023年 6月号 《 vol.94-1 》

歯の内部の治療「根管治療」

歯の内部の治療「根管治療」

歯は、目に見えている部分だけではなく、歯ぐきに埋まっている歯根(しこん)と言われる歯の根も大切な歯の一部になります。
歯根の内部には歯髄(しずい)が通っており、歯髄は血管と神経の集まりでつくられていることから、歯にとって欠かすことができない組織となります。
血管を通る血液が、歯の形成にとって大切な栄養分を運ぶことで歯の強度を保つことができます。
また、細菌が侵入した際には、免疫反応を起こして歯を守るほか、神経には痛みを起こすことで歯に異常が発生していることを知らせてくれます。
歯根を治療することを根管治療(こんかんちりょう)と言いますが、どのようなときに根管治療が必要になるのでしょう。
むし歯の初期段階は、歯の表面がむし歯菌によって溶け出しますが、そのまま放置していると、むし歯菌は歯を溶かし内部へ進行していきます。
やがて、むし歯菌が歯根にまで到達すると、そこには歯髄(血管や神経)があり、歯髄までむし歯菌に感染してしまいます。
この状態になると、重度のむし歯の状態となっているため、歯根の治療である根管治療が必要になります。

2023年 5月号 《 vol.93-3 》

アトピー性皮膚炎の原因解明

アトピー性皮膚炎の原因解明

1月に、佐賀大学医学部の出原賢治教授らによって、アトピー性皮膚炎の痒みの原因を解明とともに、その阻害剤を発見されたという研究成果が公表されました。
アトピー性皮膚炎とは、本来寄生虫など人体にとって有害になるものに対する免疫機能が、食べ物などそれほど有害でないものにも過剰に反応してしまう病気です。
研究では、アトピー性皮膚炎による痒みの原因は、タンパク質の一種であるペリオスチンという成分が体内で過剰に作られることを解明しました。
また、このペリオスチンが直接知覚神経を刺激することで、かゆみの刺激が脳に伝わり、“かゆい”と認識して皮膚をひっかく行動を起こすというメカニズムを明らかにし、「CP4715」という化合物を投与することで、アトピー性皮膚炎の痒みを治療する薬剤になる可能性があることも公表しています。
出原賢治教授は、30年近くアレルギーの研究を行っており、そのモチベーションは、痒みによって大きなストレスを抱えながら日常生活を送る子供の姿だったと言われています。
健康を守る医療とは、ただ単に命を救うということだけではなく、毎日の生活を安心して過ごすことができるようにサポートしていくことと感じます。

2023年 5月号 《 vol.93-2 》

フッ素について新たな推奨

フッ素について新たな推奨

今年の1月に、歯科関連の4つの学会が、フッ素配合歯磨きペーストの新たに推奨する利用方法について発表しました。
フッ素の濃度は「ppm」という単位で示され、これまでは歯が生えてから5歳までは500ppmの使用量でしたが、新たに推奨されたフッ素濃度は1,000ppmとなりました。
また、6歳以上は成人や高齢者と同様の1,500ppmとなりました。
世界歯科医師連盟やWHOなどの国際組織では、以前から年齢に問わず1,000ppm以上のフッ素配合歯磨きペーストの使用を推奨していましたが、日本だけが低い基準で定められていました。
歯磨きペーストをそのまま大量に飲み込むなどの摂取方法は、急性中毒のリスクもあるので注意は必要ですが、フッ素は土壌で育つ野菜や果物、魚介類や海藻類にも含まれており、FAO(食糧農業機構)は、必須栄養素としている安全性の高い成分です。
フッ素濃度が500ppm上がるとむし歯予防効果は6%上昇し、フッ素濃度が1,000ppmの場合のむし歯予防効果は23%だったのに対し、1,500ppmでは29.6%となっています。 新たな推奨フッ素濃度によって、セルフケアで得られる効果が大きくなることを期待しています。

2023年 5月号 《 vol.93-1 》

フッ素の活用で歯を守り続ける

むし歯は、自然に治癒することはありませんが、初期の段階であれば治療の負担を最小限に抑えることができます。
また、治療した歯は再びむし歯になってしまうリスクが上がることから、特にむし歯予防への取り組みが大切になります。
むし歯を予防するためには、定期的な歯科メンテナンスのほかに、毎日の正しい歯磨きと、歯と歯の間を衛生的に保つためのフロスや歯間ブラシを使ったセルフケアが大切です。
むし歯予防に最も効果があることがわかっている「フッ素」には、歯を再石灰化することで歯を正常な状態に戻す作用や、抗菌作用のほかに、歯の表面のエナメル質を強化する働きもあります。
毎日の歯磨きでは、フッ素が含まれている歯磨きペーストを活用することで、むし歯予防の効果を期待することができます。
当院の定期メンテナンスでは、お口のクリーニング後に歯磨きペーストよりもフッ素濃度の高いフッ素を歯に塗布することで、むし歯予防に取り組んでいます。

フッ素の活用で歯を守り続ける

2023年 4月号 《 vol.92-3 》

歯医者さんはどうして予約制なの?

内科や耳鼻科など多くの医療機関は予約をせずに行けるのに、歯科はなぜ予約制が多いのか疑問を持たれたことはないでしょうか?
それぞれの歯科医院で理由に若干の違いはあるかもしれませんが、予約制を導入する主な理由についてお答えします。

歯医者さんはどうして予約制なの?

精度の高い治療よりも、スピードを重視した応急的な処置が一般的な時代もあり、その頃は、歯科も予約制ではありませんでした。
現代では、診療の質を考えて予約制にする歯科医院が一般的です。
万が一、予約していた時間から遅れて来院されてしまった場合は、予約時間に合わせて来院されている患者様の診療を優先させていただくため、当日の診療は難しくなってしまうことがあります。
当院では、一人ひとりの患者様にとって最善の治療を届けていくことを最優先に考え、最適な治療時間を確保できる診療体制を整えるため診療予約制を導入しております。

2023年 4月号 《 vol.92-2 》

お口の健康を守るためのメンテナンス②

お口の健康を守るためのメンテナンス②

お口の問題と言えば、むし歯や歯周病を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、お口の問題には、噛み合わせが悪い、入れ歯が合わない、親知らずが痛いなど、様々なものがあります。
そして、これらの問題の多くは突発的に起こるのではなく、必ず前兆があり、その前兆に気づくことができず、大きな問題になったときに初めて自覚症状として現れます。
もし、定期的にお口のメンテナンスを受診していれば、問題の原因となる小さな変化に気づくことができ、最小限の処置で問題を未然に防ぐことができるケースも多くあります。
昨年のミニミニ新聞11月号vol.87でお伝えした歯の破折は、抜歯になってしまう可能性が高くなりますが、定期的にメンテナンスを受診されていれば、早い段階で噛み合わせに問題があることに気づき、破折リスクを抑えることができます。
日本では、まだ定期メンテナンスは一般的ではありませんが、生涯できるだけ多くの自分自身の歯で生活するためにも大切なお口のメンテナンスです。

2023年 4月号 《 vol.92-1 》

お口の健康を守るためのメンテナンス①

皆さんは、「お口のメンテナンス」という言葉を聞いたことはありますか?
メンテナンスを日本語にすると「維持」「持続」「保全」などの意味になり、歯科では、治療ではなく予防という観点からメンテナンスという言葉を使用することがあります。
悪くなったら治す「治療」ではなく、悪くならないための「予防」がお口の健康を守るためには最も大切なことです。
お口のメンテナンスの取り組みには、セルフケアとプロケアの2つがあります。
セルフケアは、ご自宅でする歯磨きなどで、お口の健康を守るための基本となります。
プロケアは、歯科医院で行うもので、メンテナンスの専門的な知識と技術を持つ歯科衛生が、専用の器材を使ってセルフケアでは取り除くことができないお口の細菌や汚れを除去します。
むし歯や歯周病の原因となるのは、全て細菌です。
この細菌を増やさないためのメンテナンスが、お口の健康を持続することに繋がります。

お口の健康を守るためのメンテナンス①

2023年 3月号 《 vol.91-3 》

実は謎だらけの睡眠

実は謎だらけの睡眠

人をはじめ生き物はなぜ睡眠をとるのかご存知でしょうか?
肉体的精神的な疲労を回復するため、脳を休ませるためなどの話を聞くことがありますが、実は、睡眠がなぜ必要なのかだけでなく、睡眠の仕組みについてもまだ解明されておりません。
そんな謎に包まれた睡眠ですが、1998年に筑波大学医学研究科の柳沢正史教授がナルコレプシーという睡眠障害を解明し、2022年に国際的な科学賞であるブレークスルー賞の生命科学部門を受賞しました。
ナルコレプシーとは、過眠症(居眠り病)とも言われ、日中であっても場所や状況を選ばず強い眠気の発作が出る症状で、10~20代前半に発症が集中しており、14~16歳が発症のピークとなります。
柳沢正史先生は、睡眠と覚醒の制御に関係するタンパク質の「オレキシン」を発見することで、過眠症や不眠症の治療薬開発に貢献しました。
研修者によって、少しずつ解明されてきた睡眠について、今後更に明らかにされていくことに期待します。

2023年 3月号 《 vol.91-2 》

マイナンバーカードリーダー導入

マイナンバーカードリーダー導入

皆様は、マイナンバーカードを取得されましたでしょうか?
当院では、マイナンバーカードリーダーを導入したことで、保険証をお預かりする必要がなくなりました。
マイナンバーカードがあることで、マイナポータルで特定健診情報や薬剤情報、医療費の確認がいつでもできるようになりました。
また、医療費控除の手続きもこれまでより簡易的に出るようにもなります。

むし歯細菌が好む隙間

2023年 3月号 《 vol.91-1 》

むし歯細菌が好む隙間

むし歯の治療のため多くの方が通院されていますが、どのような歯の状態がむし歯リスクを高くしてしまうのかご存知でしょうか?
むし歯の正体は細菌であるため、細菌が繁殖しやすい「隙間」に注意が必要です。
今回は、あまり知られていないむし歯ができやすい2つの歯の隙間をお伝えします。

むし歯細菌が好む隙間

また、本来歯ぐきに覆われている部分は、堅いエナメル質がないため、歯周病などで歯ぐきが下がることもむし歯リスクを上げてしまいます。

むし歯細菌が好む隙間

2023年 2月号 《 vol.90-3 》

節分で追い出された鬼はどこへ行くの?

節分で追い出された鬼はどこへ行くの?

この記事を読まれている頃には、すでに2月3日の節分は過ぎてしまっていると思いますが、皆様のお家では豆まきをされましたか?
節分は、中国の風習が日本に伝わったものですが、節分には「季節を分ける」という意味があり、立春、立夏、立秋、立冬の前日を全て節分と言います。
冬から春になる時期とされている立春(2月4日)は、新年を迎えるのと同じくらい重要な日として大切にされていたことから、節分と言えば立春の前日のみを指すようになりました。
季節の変わり目には、邪気(鬼)が生じるという考えから、邪気を追い払い、無病息災を願う儀式として誕生しました。
豆を投げるのは、鬼の目という意味の魔目(まめ)と魔物を滅するという意味の魔滅(まめ)という語呂合わせから豆まきに繋がったようです。
では、豆まきで「鬼は外、福は内」と言われ、追い出された鬼はどこへ行くのでしょうか?
追い出された鬼の行き先は、明確には記録されていませんが、鬼は人の心の中にいるという考えから、邪心を抱く人の心の中に逃げ込むという考えがあります。
節分には、自分自身の心の弱さや邪心と向き合い、心を清めるという意味があるのかもしれません

2023年 2月号 《 vol.90-2 》

歯周病に影響を与える喫煙

歯周病に影響を与える喫煙

歯周病は、歯と歯ぐきの隙間などで細菌が繁殖することで、歯ぐきに炎症を引き起こします。
歯周病からお口の健康を守るためには、歯科医院で定期的にお口のメンテナンスを受ける予防が大切ですが、歯周病改善のためには、歯科衛生士による歯周病治療を行うことで歯周病菌の数と活動のコントロールをしていくことが重要になります。
しかし、喫煙をされている場合、しっかりお口のメンテナンスを受けていても歯周病の予防や改善が難しくなります。
喫煙は、全身の健康と同じように、お口の健康にも悪い影響を与えてしまいます。
歯ぐきの中には血管が通っており、炎症が起こっている部位の血管からは細菌と戦う成分(白血球など)が出てきますが、喫煙をすると歯ぐきの血管は収縮してしまい、その成分が出にくくなります。
喫煙は、体の防御力を弱めてしまうため、歯周病菌を攻撃する働きも弱くなり、その結果歯周病が進行してしまいます。
禁煙に取り組むことが、歯周病対策だけでなく全身の健康につながる大きな一歩になります。

2023年 2月号 《 vol.90-1 》

むし歯の大きさと歯の寿命

むし歯の大きさと歯の寿命

先月号のミニミニ新聞(1月号vol.89)では、歯を失う原因第1位の歯周病についてお伝えしました。
今月号では、歯を失う原因第2位のむし歯についてお伝えします。
むし歯は、初期の段階であればむし歯菌の部分を軽く削るだけで治療を終えることができます。
むし歯が進行すると、むし歯菌は歯の内部で拡大し、やがて歯の神経まで感染してしまいます。
この時、痛みを感じることがありますが、むし歯の進行と共に痛みも感じなくなってしまいます。
神経が感染することで痛みは感じなくなりますが、その後もむし歯菌は歯の内部を壊し続けていきます。
むし歯の治療は、むし歯菌に侵食された部分を削り取るため、大きなむし歯の場合、歯を大きく削ることになり歯の寿命は短くなってしまいます。

2023年 1月号 《 vol.89-3 》

うさぎを英語で表現すると?

うさぎを英語で表現すると?

新たな年が明け、2023年が始まりました。
皆さんご存知のように、今年は十二支の4番目にあたる卯年です。
うさぎは英語でラビットやバニーと言いますが、この違いについてご存知でしょうか?
一般的に飼っているペットとしてのうさぎはラビットと呼ばれ、バニーは、子うさぎのことを指す言葉として使用されています。
また、子どもがうさぎのことを呼ぶときの幼児語として使われるため、日本語に訳すと「うさちゃん」といった愛称の意味合いもあります。
そのほかにも、ヘアと表現することもあり、これは飼い主のいない野うさぎを指して使用します。
では、童話「うさぎとかめ」に出てくるうさぎは、ラビット、バニー、ヘアの呼び方のうち何と呼ぶでしょう?
童話に出てくるうさぎは、森の中に住む飼い主のいないうさぎのため、ヘアと表現するのが正しいようです。
日本語と同じように、英語でもいくつもの呼び方があることは面白いですね。

2023年 1月号 《 vol.89-2 》

歯を失う原因の第1位歯周病

歯を失う原因の第1位歯周病

歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。
歯周病は、お口の中の汚れが原因で細菌が増殖し、歯ぐきが炎症を起こしている状態ですが、進行が進んでしまうと歯を支えている歯ぐきや骨がなくなり、歯が抜け落ちてしまいます。
日本人の30歳以上の約8割が罹患しており、生活習慣病の一つにあげられる歯周病は、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞のほか、認知症への影響も認められています。
歯周病は「沈黙の病気」と言われ、痛みなど自覚症状がないまま進行し、重度になるほど改善は難しく現状を維持するための治療となってしまいます。
当院では、歯周病の改善に向けた治療だけでなく、歯周病を未然に防ぐ予防のための定期メンテナンスをご案内しています。
お口の定期メンテナンスでは、専用器材を使って細菌を取り除き口腔内を衛生的な環境にすることができます。
専門的な技術によって、細菌をコントロールし衛生環境を維持することが、歯周病予防や改善に効果的です。

2023年 1月号 《 vol.89-1 》

新年のご挨拶

新年のご挨拶

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年は、どのようなお正月を過ごされましたか?
昨年11月からの新型コロナウイルス第8波の影響を受けて、遠出などを控えた方も多かったのではないでしょうか?
変化の多い時代ではありますが、気持ちを引き締め、患者様をはじめ、地域の皆様や共に働くスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、基本を大切にしっかり歩んでいきたいと思います。
2023年も、皆様の健康と笑顔を育み守り続ける歯科医院を目指した成長を継続していくためにも当院も様々なことに挑戦していきたいと思います。
本年も「横山歯科クリニック」をどうぞ宜しくお願い致します。

2022年 12月号 《 vol.88-3 》

変わる食習慣

変わる食習慣

上の画像は、アニメ「サザエさん」の食事シーンですが、現代の食事とは少し違っています。
サザエさんの食事シーンでは「お水」が食卓に置かれていません。
現代の食事では、外食の接客サービスなどの影響により、食卓にお水はセットになりましたが、サザエさんの放送が開始した昭和44年には、まだ食事とお水をセットにする風習はなかったようです。
現代の食事では、水で食べのもの流し込む食べ方が多くなっているほか、柔らかい食材や料理も一般的になったことで、噛む回数を減らしてしまう傾向があります。
現代の食習慣は、だ液の分泌の低下だけではなく、顎(あご)の発育にも影響により歯並びが悪くなることもあります。
だ液には、消化機能の促進・自浄作用力・抗菌作用・歯の再石灰化促進などの効果があります。
食事中は、食べ物を噛むことでだ液が分泌されるため、「流し込む」ではなく、「しっかり噛んで飲み込む」食習慣にすることで、お口の正しい発育と健康に繋げることが出来ます。

2022年 12月号 《 vol.88-2 》

歯を抜かずに済む!?破折歯接着修復法

歯を抜かずに済む!?破折歯接着修復法

ミニミニ新聞11月号では、破折によって歯の根にヒビが入ってしまったり、割れてしまった場合の多くは、抜歯(歯を抜く)になってしまうことをお伝えしました。
しかし、破折してすぐの受診や破折部位からの感染がない場合には、破折歯接着修復法(はせつしせっちゃくしゅうふくほう)によって治療をすることができるケースがあります。
破折歯接着修復法は、割れた歯を特殊な接着技術によって歯を元に戻す治療法になります。
これまでは「歯を抜く」という選択肢しかなかった場合でも、歯の内部で割れてしまった歯の根を接着することで、歯を抜かずに治す治療法が破折歯接着修復法です。
当院では、歯科用CTを導入しているため、歯根破折が疑われる場合には、歯科用CT撮影によって精密な診断が可能になります。
また、定期メンテナンスは、むし歯や歯周病予防だけでなく、噛み合わせなどもチェックすることで、歯の破折するリスクを抑えることにも繋がります。

2022年 12月号 《 vol.88-1 》

年末のご挨拶

年末のご挨拶

令和4年も終わりを迎えようとし、今年最後の「ミニミニ新聞」となります。
2015年9月から毎月発刊で始めたミニミニ新聞ですが、100号まで目前となりました。
今年は、新型コロナウイルスのほかにも、暗いニュースが多かった1年だったと思いますが、皆様にとってどのような年だったでしょうか?
私(院長横山)は、7月に日本臨床歯周病学会への参加など、学びの多い1年となりました。
新型コロナウイルスの影響により、休診させていただくこともあり、皆様には大変ご迷惑をおかけしましたので、来年は健康管理にもより気を配っていきたいと思います。
これからも感謝の気持ちを大切に歩んでいくと共に、2023年は少しでも明るいニュースと笑顔が多くなることを願います。

2022年 11月号 《 vol.87-3 》

厚生労働省認定歯科医院

厚生労働省認定歯科医院

当院は、10月に厚生労働省が定めた「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」の認定を受けました。
「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」とは、通称『か強診』と言い、平成28年に厚生労働省が新たに定めた施設基準になります。
患者様がより安全で安心できる歯科診療体制を整備し、予防歯科によって口腔健康を継続的に守っていくための取り組みが認められた歯科医院だけが認定を受ける事が出来る医療保険制度です。
『か強診』の認定を受けるためには、口腔機能管理や医療安全対策の研修を受けている事、予防歯科・お口のメンテナンスができる歯科衛生士が在籍している事をはじめ、医療器具の滅菌対策やその他様々な設備・体制を整える必要があります。
現在、国がすすめる保険制度もこれまでの「歯を削って詰める」などの治療を目的とした保険制度から、むし歯や歯周病などから歯を守るための予防を重視した保険制度になりつつあります。
当院は『か強診認定』によって、患者様のお口の状態に合わせた細かなメンテナンスを保険診療で行なうことが可能になるため、より地域の口腔健康を守ることのできる歯科医院を目指していきます。

2022年 11月号 《 vol.87-2 》

治療ができず抜歯になる歯根破折②

治療ができず抜歯になる歯根破折②

では、どのような歯が歯根破折リスクが高いのでしょう。
歯根破折のリスクが最も高い歯は、神経を失っている歯です。
ご存知のように、神経には痛みや温度を伝える役割がありますが、歯の中には神経と共に血管も通っており、その血管を流れる血液が歯に大切な栄養を届けるという重要な役割があります。
歯の神経を取るということは、神経だけでなく血管も同時に失うことになり、その結果、歯には栄養が届かず、その歯は脆く弱くなってしまいます。
弱くなってしまった歯は、日常生活の「噛む」「くいしばる」などの負担に耐えることができないため、歯が破折してしまうリスクが上がってしまいます。
また、歯ぎしり・くいしばりのほか、咬み合わせに問題がある場合も歯根破折のリスクは上がってしまうため、就寝時のマウスピースの活用が効果的な場合もあります。
歯根破折から歯を守るためにも、歯を守ための歯磨きと定期検診によって、歯とお口の環境を正しく維持していくことが大切です。

2022年 11月号 《 vol.87-1 》

治療ができず抜歯になる歯根破折①

治療ができず抜歯になる歯根破折①

歯が割れてしまったり、欠けてしまったという経験をされたことはありますか?
硬いものを噛んだり、何かにぶつかった衝撃などで、歯が割れる・折れる・欠けることを歯冠破折(しかんはせつ)と言います。
歯冠破折とは別に「歯根破折(しこんはせつ)」というケースもあり、これら破折は、3番目に多い歯を失う原因でもあります。
歯根破折は、歯の根にヒビが入ってしまったり、割れてしまった状態になっており、多くの場合は、抜歯(歯を抜く)治療になってしまいます。
通常、歯の根は歯ぐきに覆われており、肉眼で歯根破折を見つけることは難しいため「歯が痛む」など、むし歯と思って受診して「歯根破折」と診断されることも多くあります。
歯冠破折と違い、治療が難しく、歯を抜くことになる歯根破折から、歯を守っていくことが重要です。

2022年 10月号 《 vol.86-3 》

再発リスクを抑えるむし歯治療

再発リスクを抑えるむし歯治療

銀歯のむし歯治療を受けた場合、その耐用年数は平均5~7年という調査結果がありますが、これは耐用年数を過ぎると銀歯が割れるなど壊れてしまう訳ではありません。
歯と全く異なる素材の銀歯(金属)を装着するため、治療後5~7年以内には歯と銀歯に隙間が生じ、その隙間から細菌が侵入することで、再治療が必要になることが耐用年数とされています。
セラミック素材は、最も歯に近い素材であり、特殊な接着システムも可能になることから、耐用年数は15~18年というデータがあります。
*シロナデンタルシステムズ臨床研究データより抜粋
むし歯治療は、むし歯菌によって歯の腐ってしまった部分を削り取るため、治療のたびに歯は小さくなってしまいます。
また、5年ほど経過した銀歯を外すとほとんどの場合、銀歯の下は大きなむし歯になっており、再治療をしても最初の治療のときよりも早くむし歯が再発するため、歯の寿命が短くなる可能性があります。
全てのケースでセラミックが最善とは限りませんが、むし歯を繰り返さないための治療法を選択することが大切です。

2022年 10月号 《 vol.86-2 》

むし歯治療は銀歯?それともセラミック?

むし歯治療は銀歯?それともセラミック?むし歯治療は銀歯?それともセラミック?

多くの方が、これまで一度はむし歯治療の経験があると思います。
過去のむし歯治療では、どのような治療を受けたでしょうか?
むし歯治療を受けた歯には、プラスチック素材の詰め物や、銀歯やセラミックの被せ物がついています。
プラスチック素材の被せ物は、小さなむし歯治療で使う素材で、白く目立ちにくいのが特徴ですが、材料が安定せず大きなむし歯治療では推奨されません。
大きなむし歯治療の場合は、保険適用の銀歯か保険適用外のセラミック素材での被せ物になります。
銀歯そのものは壊れにくく高い強度がありますが、その高い強度のせいで噛み合わせの力がそのまま歯の根まで伝わることで、歯が割れてしまう場合があります。
セラミック素材は、本来の歯と同程度の強度と、自然な歯を再現できる美しさがあります。
では、銀歯とセラミックでは、治療後の歯にどのような影響があるのでしょう?
裏ページで詳しくお伝えしますので、今後の治療法の選択に参考にしていただければと思います。

2022年 10月号 《 vol.86-1 》

シリーズ⑤歯周病と全身疾患 ~早産~

シリーズ⑤歯周病と全身疾患 ~早産~

歯周病が、全身の健康に与える影響についてお伝えしているシリーズの今号は「歯周病と早産の関係」です。
早産や低体重児の出産には、喫煙や妊婦さんの年齢なども関係していますが、それらの要因よりも歯周病が大きな影響を与えていることが報告されています。
出産時の陣痛は、プロスタグランジンという物質の分泌が体内で高まることで起きますが、このプロスタグランジンの分泌を促進させるのがサイトカインという物質です。
歯周病菌などの細菌が血液に侵入し、炎症を起こすことでサイトカインが増え、それが刺激となってプロスタグランジンが分泌され、陣痛が早い段階で引き起こされる場合があります。
歯周病は、細菌によって歯ぐきが炎症を起こしている状態で、進行すると炎症性サイトカインが産生され血液を介して全身へと送られます。
妊娠中は、つわりやホルモンバランスの変化により、ムシ歯ができやすい状態でもあるので、妊娠前、または妊娠中でも歯科医院で検診を受け、適切な予防や治療につなげることが大切です。

2022年 9月号 《 vol.85-3 》

歯科健診の義務化!?

歯科健診の義務化!?

今年の5月末から6月上旬にかけて、一部メディアによる「全国民に毎年の歯科健診を義務づける」という言葉が報道され、賛否両論の反応があったと聞きます。
6月7日に閣議決定された『経済財政運営と改革の基本方針2022』の第4章の中で、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)の具体的な検討」という一文が「歯科健診を義務化」となって報道されましたが、実際は「義務化」は明記されていません。
今のところは、企業などの定期健康診断に歯科健診を加えるなど、全国民が年1回の歯科健診を受けたり、受けやすくするための整備をしていくという段階のようです。
むし歯や歯周病などで、歯を失うと咀嚼(噛む)機能や嚥下(飲み込む)機能が低下し、偏った食生活から健康を損なうリスクが上がってしまいます。
また、歯周病は、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎などの大きな疾患の要因にもなります。
「歯科健診の義務化」にはならなくても、一人ひとりの国民が口腔健康への意識を持つことで生涯の健康維持につながることを期待しています。

2022年 9月号 《 vol.85-2 》

日本臨床歯周病学会40周年記念大会

日本臨床歯周病学会40周年記念大会

7月30日(土)31日(日)は、パシフィコ横浜で日本臨床歯周病学会40周年記念大会が開催され、私はオンラインで参加しました。
日本臨床歯周病学会は、1983年に歯周治療の研鑽を通じて歯科臨床の向上に努めることを目的として「臨床歯周病談話会」としてスタートし、現在では、全国4,800名以上が所属する学会となっています。
40周年記念の今回は、海外からも著名な5名の歯科医師が来日し、特別講演も行われ、世界トップクラスの歯科臨床を学ぶことができました。
2日間に渡って、歯周病治療の最先端を進む歯科医師の講演や、その他にも重度の歯周病治療法の一つである歯周組織再生治療についてなど多くの学びを得る発表がありました。
歯周病は、30歳以上の約80%がかかっていると言われており、自覚症状がないまま進行し、歯を支える歯ぐきや骨を壊していきます。
当院では、一人ひとりに最適なプログラムで歯周病を予防するための診療に取り組むだけでなく、質の高い歯周病治療にも取り組み続けています。
世界基準の歯科臨床を学ぶことで、あなたのお口の健康を守り続ける歯科医療を目指します。

2022年 9月号 《 vol.85-1 》

シリーズ④歯周病と全身疾患 ~誤嚥性肺炎~

シリーズ④歯周病と全身疾患 ~誤嚥性肺炎~

誤嚥性肺炎は、誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が気道に入ること)がきっかけになって、主にお口の中の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎です。
食事中だけではなく、就寝中にもだ液が気管に入り込むため、自覚症状がない方も多いのが特徴の一つで、高齢者の肺炎の75%は、『誤嚥(ごえん)』に関連しているとも言われています。
歯は、一本一本に役割があるため、一本でも失った場合には、経過観察を含めた適切な診察・治療を受け、噛み合わせや咀嚼(そしゃく)、飲み込むなどのお口の機能を守ることが誤嚥性肺炎の予防に繋がります。
また、毎日の歯磨きで、フロスや歯間ブラシを使用した口腔ケアや、定期的に歯科医院でお口のメンテナンスを受けることが、お口の中の細菌を減らすことになります。 正しい口腔機能をいつまでも守り続けることや、お口の中の細菌を減らすことが全身の健康を守ることにつながります。

2022年 7月号 《 vol.83-3 》

訪問診療(往診)始めました

訪問診療(往診)始めました

皆さんのお知り合いの方の中に、歯科治療を受けたくても体が不自由な状態であるために、受診できない方はいらっしゃいませんか?
横山歯科クリニックは、そのような病気や寝たきり、傷病のために通院が困難な方に対して歯科訪問診療(往診)にも対応しております。
お口の健康は、食事をするだけではなく、話す、笑うといった生活を支える根本的な役割を持っています。
近年、歯科訪問診療は、いかなる状況や環境であっても平等に歯科医療が受けられるように、国や歯科医師会でも推進している歯科診療分野になっています。
歯科に訪問診療があることをご存知ない方も多く、訪問診療ではどのような治療を受けられるのか不安を感じることもあると思います。
歯科訪問診療では、治療に必要な器材や薬剤をお持ちして、患者さんのご自宅や介護施設などで、歯科治療(義歯の調整、口腔内の清掃、歯石除去など)を受けることが出来ます。
また、高齢者の方には、患者さんご本人やご家族の方に、毎日の口腔ケアの指導などを行う場合もあります。
歯科訪問診療を受診するためには一定の条件や、確認事項などもありますので、疑問やお申し込みについてはお気軽にお尋ね下さい。

2022年 7月号 《 vol.83-2 》

子どものためにも大切な家族の健康

子どものためにも大切な家族の健康

お子様のお口の健康を守っていくためには、お父さんお母さんなど一緒に暮らす家族の口腔健康も大切です。
特に、生活の中で子どもと長い時間を過ごすことが多いお母さんの口腔の健康状態は、お子様の口腔健康への影響も大きくなります。
親御さんから「子どもと大人でお箸やコップの共有は避けた方が良いか?」という質問を多くいただきます。
お子様と同居している大人の口腔内に、むし歯菌や歯周病菌などの悪い細菌が多い場合は、子どもにその細菌が感染する可能性も高くなるため、お箸やコップは使い回さない方が良いでしょう。
しかし、日常生活では、どんなに気をつけても限界があり、スキンシップやコミュニケーションの大切さを考えると、あまり神経質になり過ぎるのも問題と思います。
最も大切なのは、家族全員の口腔健康を良い状態にし、口腔内を衛生的な環境に保つことです。
細菌の感染経路になるお箸やコップの使い回しに注意するよりも、細菌の感染源である家族の口腔環境を改善することが大切です。

2022年 7月号 《 vol.83-1 》

シリーズ②歯周病と全身疾患 ~脳血管疾患~

シリーズ②歯周病と全身疾患 ~脳血管疾患~

近年、歯周病と全身に関わる疾患には大きな関係があることが認められてきています。
脳梗塞(のうこうそく)などの脳血管疾患も、歯周病が影響する場合があることをご存知でしょうか?
脳血管疾患による2017年の死亡者数は10万9,880人で、死亡総数の8.2%を占め、死因順位は第3位となっています。
脳血管疾患には様々な要因がありますが、近年では歯周病との関連も報告されています。
『歯周病菌』が、口の中の血管から体内へ入り込むことが要因となる場合もあり、歯周病の人はそうでない人の2.8倍も脳梗塞のリスクが高まると言われています。
特に高血圧、高コレステロール、中性脂肪が高めの方は、脳血管疾患予防のためにも歯周病の予防や治療はより重要となります。
毎日の生活の中での歯ブラシのほかに、フロスを使用し、定期的に歯科医院でお口のメンテナンスをすることが歯周病予防、さらには脳梗塞の予防につながります。
参考:日本臨床歯周病学会

2022年 6月号 《 vol.82-3 》

保険適用の白い歯

保険適用の白い歯

むし歯の治療のときに、銀歯ではなく、白い被せ物で治療したいと思っていても保険が適用されないために諦めてしまった経験はありませんか?
現在は、必要条件を満たし厚生労働省から認可を受けた歯科医院に限り、白い被せ物の治療を保険適用で受けることが出来ます。
この保険適用の白い被せ物は、CAD/CAM(キャドキャム)冠と言い、ハイブリットレジンという素材になります。
ハイブリットレジンは、『保険適用外のセラミック』に比べると、耐久性や、美しさなどで劣る部分はありますが、銀歯に比べると、色も白く、金属アレルギーの心配もありません。
装着後に外れてしまう可能性は、銀歯と同程度になりますが、銀歯ほどの強度がないため、噛み合わせには注意が必要になります。
数年前より、段階的に条件付きで保険適用になってきたCAD/CAM冠ですが、これまでは比較的大きなむし歯にしか認められませんでした。
今年からは、小さなむし歯にも適用できるケースが新たに認められましたので、適用できる症例においてはご案内させて頂きます。
銀歯に抵抗のある方、白い歯に興味のある方は、お気軽にご相談下さい。

2022年 6月号 《 vol.82-2 》

健康寿命につながる口腔機能

健康寿命につながる口腔機能

口腔機能の低下によって、食べ物を噛んだり飲み込むことが正常に行われない状態を『オーラルフレイル』と言います。
むし歯や歯周病などの影響で、食べ物を細かく噛んだり、噛んだものを飲み込むという基本的なお口の機能が低下する場合があります。
このような状態を放置していると食生活の変化にも繋がり、食べ物の好き嫌いではなく、食べやすいもの・食べにくいものという選択で食事をするようになってしまいます。
このような食生活では、栄養バランスの乱れから、身体機能の低下などが引き起こされ、社会活動が出来ない・日常生活に問題が生まれる・寝たきりになってしまうなど、健康寿命に影響が出る可能性があります。
お口の健康を守ることが全身の健康を守ることにも繋がり、健康寿命を延ばすことになります。
いつまでも元気に生活するためにも、お口の問題は早期に解決し、定期検診や毎日の歯磨きでお口の健康を守り続けることが大切です。

2022年 6月号 《 vol.82-1 》

シリーズ①歯周病と全身疾患 ~糖尿病~

シリーズ①歯周病と全身疾患 ~糖尿病~

お口の健康と全身の健康には深い関係性があります。
歯周病が、全身疾患に影響する場合もあり、糖尿病の合併症の一つに歯周病があることをご存知でしょうか?
成人の糖尿病で多い2型糖尿病は、体内でインスリンの働きが不十分になり、免疫システムの低下が起こります。
免疫力の低下によって、糖尿病患者はインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、お口の中も同様に免疫力が低下することで、糖尿病患者は歯周病に2倍以上かかりやすくなり、歯周病の進行も早くなります。
そのほかにも、重度の歯周病の場合、血糖のコントールが悪くなるなど、歯周病と糖尿病には大きな関係があります。
歯周病の改善により、血糖のコントロールが改善する場合も多いことから、糖尿病を患っている方にとって口腔ケアはさらに重要になります。
糖尿病は、40歳代から急速に増えますが、早い時期からの歯周病予防が発症リスク軽減につながります。

2022年 5月号 《 vol.81-3 》

5月5日は端午の節句

5月5日は端午の節句

現代では、「子どもの日」として認識されている5月5日ですが、もともとは「端午(たんご)の節句」にあたります。
端午の「端」は「はじめ」という意味があり、5月最初の午(うま)の日の「午(ご)」が「五」に通じることから、5月5日を「端午の節句」とされています。
江戸時代に入り、家の後継ぎとして生まれた男の子の成長を祈る「端午の節句」は武家の間で盛んに祝われるようになりました。
当時は、身の安全を願って神社にお参りするときなどに、鎧や兜を奉納するしきたりがありました。
また、鎧や兜を飾ることも武家社会から生まれた風習です。
5月5日に、鎧や兜を飾ることには、鎧兜が事故や病気から大切な我が子を守ってくれるようにという願いが込められています。

5月5日は端午の節句

2022年 5月号 《 vol.81-2 》

正しく噛むために

正しく噛むために

2022年 5月号 《 vol.81-1 》

正しく噛んで認知症予防

正しく噛んで認知症予防

皆さんご存知のように、お口は食事や会話をするうえで大切な役割を持っていますが、お口の健康と全身の健康にも深い関わりがあります。
お口の健康と全身の健康の関わりの一つに認知症があります。
しっかり噛んで食事をすることはできているでしょうか?
近年の研究では、しっかり噛んで食べるという行動が、脳への良い刺激となることで、認知症の予防に繋がる可能性があると言われています。
アルツハイマー型認知症の原因の一つとされているアミロイドβは、よく噛めない状態でいると増加するという研究結果も出ています。
ただ単純に噛んで食べることや一部の歯で噛むだけではなく、正しい噛み合わせでしっかり奥歯で噛むことが大切になります。
一部の歯が失われたままだったり、歯周病の進行によって歯ぐきが弱くなりしっかり噛めない状態では、しっかり正しく噛める状態の人と比べると、認知症リスクが高くなります。
むし歯や歯周病からお口の健康を守るだけでなく、噛むという機能を維持していくことも大切です。

2022年 4月号 《 vol.80-3 》

歯周病と糖尿病の関係

歯周病と糖尿病の関係

歯周病が、全身疾患に影響する場合もあり、糖尿病の合併症の一つに歯周病があげられています。
成人の糖尿病で多い2型糖尿病は、体内でインスリンの働きが不十分になり、免疫システムの低下が起こります。
免疫力の低下によって、糖尿病患者はインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、お口の中も同様に免疫力が低下することで、糖尿病患者は歯周病に2倍以上かかりやすくなり、歯周病の進行も早くなります。
そのほかにも、重度の歯周病の場合、血糖のコントールが悪くなるなど、歯周病と糖尿病には大きな関係があります。
歯周病の改善により、血糖のコントロールが改善する場合も多いことから、糖尿病を患っている方にとって口腔ケアはさらに重要になります。糖尿病は、40歳代から急速に増えますが、早い時期からの歯周病予防が発症リスク軽減につながります。

2022年 4月号 《 vol.80-2 》

健康のためにストップ!だらだら食べ

健康のためにストップ!だらだら食べ

食事や間食の時間が定まらず、だらだらと食べ続けるなどの食習慣の乱れは、健康にとっても良いことではありません。

「だらだら食べ」とは、朝昼晩ご飯や間食とは別に、何かをしながらお菓子やジュースなど食べ続けている行動を言います。
だらだら食べが招く健康リスクに高血糖の持続があり、高血糖の状態が続くと動脈硬化の進行によって血管などの組織が傷付くほか、インスリン抵抗性も上がることで糖尿病リスクも高まります。
「仕事をしながら」「テレビを見ながら」飲食をし続けている習慣はありませんか? 意外にも、「いつの間にか食べ物を手にして、無意識に食べている」ということもあります。
習慣になってしまっただらだら食べを止めるためには、どうすれば良いのでしょう?
だらだら食べには、「簡単に手が届くところに食べ物を置かない」「食べ物を買い置きしない」などの対策が効果があるようです。
そのほかにも、だらだら食べを改善するためには、お菓子など何かを食べる時にも「いただきます」「ご馳走さま」を言うことで、「食べる/食べない」にしっかり線を引き、食事の時間とそれ以外をしっかり分けることを意識付けることも効果的です。

2022年 4月号 《 vol.80-1 》

規則正しい食生活が口腔健康を守る

規則正しい食生活が口腔健康を守る

食事や間食の時間が定まらない、だらだらと間食をとるなどの食習慣の乱れが口腔の健康にも影響することをご存知でしょうか?
口腔内は通常「中性」で、この状態のときはムシ歯になるリスクは下がっていますが、食べ物を口の中に入れると「酸性」になり、口腔内はムシ歯リスクが高い状態となります。
酸性になった口腔内を中性に戻すために活躍するのが「だ液」ですが、だ液の働きだけでは限界があります。
ムシ歯を予防するためには、食事と食事の間隔をしっかりとることで、口腔内環境を中性に戻すことが最も大切になります。
だらだら食べをしてしまうと、常に口腔内が酸性の状態が続いてしまい、ムシ歯になる可能性が高くなります。
また、間食がお菓子やジュースなど糖分の高いものであれば、さらにムシ歯リスクが上がってしまいます。
メリハリのある規則正しい食生活を送ることがムシ歯予防につながります。
もちろん、きちんとした歯磨きも大切なので、食後はしっかり歯を磨きましょう!

2022年 2月号 《 vol.78-3 》

バレンタインデーの起源

バレンタインデーの起源

2月14日は、バレンタインデーです。
最近では、職場の同僚への義理チョコだけでなく、友達同士での交換や、自分へのご褒美として購入される方も多いようです。
日本でバレンタインデーが始まったきっかけは、チョコレートを販売するために、新聞広告を出した説、チョコレートを贈ることを流行らせた説など諸説あります。
日本だけでなく、世界中に広がっているバレンタインデーは、どのようにして誕生したのでしょう?
バレンタインは、キリスト教のバレンタイン司祭の名前が由来になっているようです。
はるか昔、3世紀頃のローマでは、戦場で国のために命を捧げることの妨げになるという考えから、皇帝によって若者の結婚が認められていませんでした。
バレンタイン司祭は、皇帝には秘密にしながら若者を結婚させていましたが、皇帝にバレてしまい、ローマの豊穣祈願の「ルペルカリア祭」の生贄として、ルペルカリア祭前日の2月14日に処刑されてしまいました。
その後、人々はバレンタイン司祭を恋人の守護神として祀(まつ)ったことから、2月14日を「聖バレンタインデー」と呼ぶようになったそうです。

2022年 2月号 《 vol.78-2 》

知らぬ間に進行する歯周病

知らぬ間に進行する歯周病

歯を失う原因で最も多いのが、歯周病であることをご存知でしょうか?
歯に痛みなどを感じて歯医者さんに来院される方が多いので、歯を失う原因もむし歯が一番多いと予想してしまう方もいらっしゃると思います。
来院理由は、むし歯に関連したお悩みや相談が多いのに、歯を失う原因で最も多いのは歯周病とはどういうことでしょう?
それは、歯周病は自覚症状がほとんどないまま進行してしまうことに大きな要因があると考えられます。
むし歯と同じように、細菌感染症の歯周病は、歯と歯ぐきの隙間などで細菌が繁殖し歯ぐきに炎症を引き起こします。
炎症の段階では、痛みもなくご自身で歯周病と判断することは難しく、その後、歯ぐきの腫れや出血が起こり、そのまま進行すると歯を支える骨まで失ってしまいます。
歯周病治療は治療期間も長期的になる場合が多いので、予防していくことや、初期の段階で見つけることがとても大切です。
当院では、歯周病検査やお口のメンテナンスによって、患者様の口腔環境の変化を見逃さない診療に取り組んでいます。

2022年 2月号 《 vol.78-1 》

春に向けて白く美しい歯へ

春に向けて白く美しい歯へ

近年、歯の自然な白さ美しさを取り戻すホワイトニングを希望される方は増えてきており、インターネットや店頭でもホワイトニングに関連した商品を購入することができます。
しかし、ホワイトニングは、専用の薬剤を使用するため、患者様のお口の状態や全身の状態によっては、ホワイトニングをされない方が良い場合もあることをご存知でしょうか?
当院で主にご案内している「ホームホワイトニング」は、ホワイトニング剤を塗布したトレーを1日数時間(就寝中など)装着し、2週間~1ヶ月程度を目安に効果を実感することができます。
ホワイトニング剤の濃度の強さを選択できる為、しみるなどの不快感を感じにくく、ホワトニング効果が持続するのも特徴です。
当院では、お口の検査や安全に効果を得られるようにホワイトニングについてアドバイスもしております。
ホワイトニング効果を実感できるまでには、期間もかかりますので、春までに白く美しい歯を目指す方は、お早めにご相談下さい。

2022年 1月号 《 vol.77-3 》

健康に関わる後悔していることTOP20

健康に関わる後悔していることTOP20

以前のミニミニ新聞でもお伝えしましたが、2019年3月に発刊された「プレジデント」という雑誌で、55歳~77歳の男女1000人にアンケートを行い、健康に関わる後悔トップ20が掲載されました。
そのアンケートの第1位は「歯の定期検診を受ければよかった」という結果になりました。
欧米諸国などと違い、日本には医療保険制度があり、比較的安価に医療を受けることができるため「悪くなったら受診する」という治療優先の考えが浸透しています。
歯の治療の多くは、歯を削り修復することになるため、噛んだり見た目など機能は取り戻しても、歯をもとに戻すことは出来ません。
歳を重ねても友人と楽しく会話をしたり、旅行などで美味しい食事をするためにも、健康を維持する予防が大切です。
健康に関わる後悔がない人生であるためにも、定期的にお口のメンテナンスを受診しましょう。

2022年 1月号 《 vol.77-2 》

今年は36年に一度の五黄の虎

今年は36年に一度の五黄の虎

新たな年が明け、2022年が始まりました。
皆さんご存知のように、今年は十二支の3番目にあたる寅年です。
寅年がなぜ3番目になったのかご存知でしょうか?
十二支について有名な話では、神様が「元日に私のところへ挨拶にきなさい。12着までに来た者たちを順番に1年間の王様にしてあげよう。」というお触れを出したことから競争が始まりました。
前夜から神様のところへ出発した牛でしたが、牛の背中に乗ったネズミが、ゴール直前に牛から飛び降り1位になりました。
足の速い虎は、本来であれば1位になれたかもしれませんが、他の動物たちと同じように、元日に出発したため、前日に出発した牛とネズミには敵わなかったそうです。
寅年に生まれた人は、「強い正義感と信念を持ち、困難を乗り越える強い意志と行動力がある」と言われており、特に36年に一度だけ九星の五黄土星と十二支の寅年が重なる「五黄の虎(ごおうのとら)」に生まれた人は強運を持っているそうです。
2022年は、この「五黄の虎(ごおうのとら)」に当たるため、今年生まれるお子様の将来が楽しみですね。

2022年 1月号 《 vol.77-1 》

新年のご挨拶

新年のご挨拶

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年は、どのようなお正月を過ごされましたか?
新型コロナウイルスの感染者数が減少していることから、久しぶりに遠出をされたという方も多かったのではないでしょうか?
当院は、昨年の12月で移転リニューアル5周年を迎えました。
改めて気持ちを引き締め、患者様はじめ、地域の皆様や共に働くスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、基本を大切にしっかり歩んでいきたいと思います。
様々な変化がある時代ではありますが、患者様の健康に向き合い、生活に寄り添うために、質の高い歯科治療を届けていくという気持ちは変えることなく、成長していきたいと思います。
2022年も、皆様の健康と笑顔を育み守り続ける歯科医院を目指した成長を継続していくためにも当院も様々なことに挑戦していきたいと思います。
本年も、横山歯科クリニックをどうぞ宜しくお願い致します。

2021年 12月号 《 vol.76-3 》

治療費の還付制度「医療費控除」

治療費の還付制度「医療費控除」

年間にかかった医療費によっては、支払った医療費の一部が返金される「医療費控除」をご存知でしょうか?
医療費控除は、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が10万円以上の方を対象としており、控除限度額は200万円となっています。
医療費控除の対象はご自身だけでなく、同じ生計で暮らすご家族の医療費を合算して申告することもできます。
もちろん、大きな病気にかかった治療費だけでなく、歯科治療にかかった治療費(保険治療・保険外治療)も対象となり、インプラント治療や矯正治療も適用になる場合があります。
また、申告し忘れてしまっている場合も、過去5年間までさかのぼって申告することができます。
医療費控除の申告には治療費の領収書が必要となるなど、細かな条件などもありますので詳細については税務署までご相談ください。

2021年 12月号 《 vol.76-2 》

舌がピリピリ痛むのは舌痛症かも!?

舌がピリピリ痛むのは舌痛症かも!?

ミニミニ新聞9月号・11月号では、口腔がんや口腔粘膜疾患についてお伝えしたように、お口の中の問題は歯以外にも起こる場合があります。
皆さんは、舌に痛みを感じたことはないでしょうか?
舌に痛みを感じる症状は、舌痛症と診断することが多く、ほとんどの場合は適切なケアで改善します。
舌痛症は、お口の中が不衛生であったり、栄養不良が原因となって起こるケースが多くあります。
お口の中には、300~400種類の細菌が存在し、それらの細菌がむし歯や歯周病の原因となりますが、それ以外にも舌などお口の粘膜に悪影響を与える細菌もいます。
また、栄養素の亜鉛が体内で不足すると味覚を感じにくくなったりビタミンBが不足することで口内炎や舌の炎症を起こしやすくなります。
そのほかにも、加齢や薬の副作用、ときにはストレスによってお口の中が乾燥してしまうことが舌痛症に繋がることもあります。
日頃の歯磨きや定期的な歯科メンテナンスの受診、栄養バランスのとれた食習慣で舌痛症リスクは大きく軽減することができます。

2021年 12月号 《 vol.76-1 》

今年最後のミニミニ新聞

今年最後のミニミニ新聞

2021年最後の「ミニミニ新聞」となりました。
移転開院前の2015年9月より毎月発刊で始めたミニミニ通信も今号で76号を迎えることが出来ました。
今年は、昨年から続いた新型コロナウイルスによって、私たちの生活に大きな影響がありました。
今年の横山歯科クリニックは、先進医療のCAD/CAM(キャドキャム)システムの導入のほか、歯科衛生士スキルアップ院内研修を実施することができました。
多くの学会や臨床セミナーが中止となるなか、オンラインセミナーという新しい形式も定着していますが、来年もこれまでと変わらず誠実な診療を目指していきたいと思います。
来年は、皆様の健康と、安心と安全が守られる生活になることを願います。

2021年 11月号 《 vol.75-3 》

口腔がんや口腔粘膜疾患を見逃さないために

口腔がんや口腔粘膜疾患を見逃さないために

ミニミニ新聞9月号・10月号では、口腔がんと口腔粘膜疾患についてお伝えしました。
当院は、口腔がんや口腔粘膜疾患を出来るだけ早く発見し、早期治療に取り組んでいます。
口腔がんや口腔粘膜疾患は、小さな異常も見逃さないことが大切になるため、来院されるすべての患者様のむし歯や歯周病、噛み合わせの診査だけでなく、口腔粘膜の状態についてもしっかり確認しています。
治療受診のときだけでなく、定期検診で通院される方についても、むし歯や歯周病、噛み合わせの確認だけでなく、口腔粘膜についても前回の来院時と変化がないかを確認をしています。
口腔がんや口腔粘膜疾患を予防するためには、日頃から口腔内の健康状態を維持していくことが重要になり、合わない被せ物や入れ歯もリスク要因となります。
また、喫煙や過度な飲酒もリスクを上げてしまうため、定期検診に加えて正しい生活習慣を意識することも大切です。

2021年 11月号 《 vol.75-2 》

当院の定期検診の流れ

当院の定期検診の流れ

2021年 11月号 《 vol.75-1 》

大切な定期検診

大切な定期検診

歯は年齢とともに失われていくと考えられている方もいらっしゃいますが、毎日の正しい歯磨きなどのセルフケアと悪くなったときにはしっかり治療を受けることで、いつまでも健康なお口を守ることができます。
そして、お口の健康を守るためには、定期検診も欠かすことができない大切な要素となります。
治療を終えてお口の健康を取り戻したあとは、歯科医院で定期的に検診を受け、正しいセルフケアができているかのチェックや歯のクリーニング、お口の状態の確認をしていくことが大切になります。
定期検診を受けることで、むし歯や歯周病のリスクを大きく軽減することができ、何か問題がある場合も、早期発見できることで歯にダメージが少ない適切な治療が可能になります。
また、定期検診では、むし歯や歯周病だけでなく、顎の関節や口腔内の粘膜、入れ歯の状態も確認することで、お口全体の適切な健康管理ができます。
口腔健康を守り続けるためには、定期検診が大切になります。

2021年 10月号 《 vol.74-3 》

お口の病気 ~口腔粘膜疾患~

お口の病気 ~口腔粘膜疾患~

先月号のミニミニ新聞(9月号vol.73)では、自覚がないままに進行する恐れのある口腔がんについてお伝えしました。
口腔内の歯以外の組織を口腔粘膜と言い、口腔粘膜には、口内炎のように小さな症状から、口腔がんのように生命に関わる病気のリスクがあります。
口腔がんには、舌がん・頬粘膜がん・歯肉がん・口蓋がん・口底がん・唾液腺がんと6種類もあり、口腔粘膜の全ての部分に発生する可能性があります。
口腔粘膜には、口腔がん以外にも注意しなくてはいけない疾患もあり、総称して口腔粘膜疾患と言います。
口腔粘膜疾患にも多くの種類がありますが、そのほとんどは、潰瘍、腫瘤、水疱などの症状を呈する疾患になります。
お口の中は、歯や飲食による刺激を受けやすいため、安静な状態が保たれにくいことや、口腔細菌の感染による影響も受けやすいことが口腔粘膜疾患の原因になります。
また、口腔粘膜疾患の症状は多岐にわたることや、症状が変化していくため、診断や原因の特定が難しい場合もあります。

2021年 10月号 《 vol.74-2 》

プラークコントロール院内研修会②

プラークコントロール院内研修会②

今回の研修では、セルフケアについて学び、歯科衛生士による患者様への正しい歯磨き方法の伝え方だけでなく、様々な歯ブラシの性能の確認なども行いました。
実習では、人工プラークを付着させた模型を使用して、実際にどのように磨けばどのくらいのプラーク除去が見込めるかなどを実践的に学ぶこともできました。
お口の健康を守るためにも、歯磨きはとても大切になります。
当院では、一人ひとりの患者様に合った歯ブラシをご提案するほか、あなたの口腔環境にとって正しい歯磨き方法をお伝えし、お口の健康を守り続けるためのセルフケアをサポートいたします。
当院は、治療だけでなく皆様の生活の中でのお口の健康を支える歯科医療を目指します。

2021年 10月号 《 vol.74-1 》

プラークコントロール院内研修会①

プラークコントロール院内研修会①

9月17日(金)は、診療をお休みさせて頂き、歯周病学会認定歯科衛生士の佐藤雅美先生による歯科衛生士スキルアップ院内研修を実施しました。
研修では、当院の歯科衛生士が全員参加し、プラークコントロールについての講義や実習を行いました。
プラークとは、歯に付着した細菌のかたまりのことで、むし歯や歯周病の主な原因の一つでもあり、このプラークを取り除くことをプラークコントロールといいます。
プラークコントロールには、ご自宅で行う歯磨きなどのセルフケアと、歯科医院で行う歯のクリーニングがあります。
プラークをできるだけ取り除くことが、むし歯や歯周病の予防につながり、特に歯周病の方にとって、歯磨きなどのセルフケアによるプラークコントロールは大切になります。

2021年 9月号 《 vol.73-3 》

コロナ渦における学びのかたち

コロナ渦における学びのかたち

昨年から世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス(COVIT-19)の影響を受けて、私たちの生活は大きく変わりました。
個人的に大きく変わった一つに「学びのかたち」があります。
これまで、私たち歯科医師が歯科治療についての知識や技術を向上させるためのセミナーや研修会に参加するというのが一般的でした。
しかし、現在は東京や大阪など遠方に学びに行くことが難しいこともあり、オンラインで受講できる仕組みが広がっています。
先日は、日本臨床歯周病学会と札幌臨床歯科研究会が開催され、オンラインで参加し症例発表も行いました。
オンラインでの症例発表は初めてでしたが、オンライン受講の仕組みが確立されつつあり、大きな問題もなく終えることができました。
若手の歯科医師が治療の基礎をしっかり学ぶことや、より高度な優れた治療技術を学ぶためには、講師の手技を実際に見て学べる従来型セミナーに勝るものはありませんが、多くのセミナーを受講し深い知識を得るためには、オンラインセミナーという形式はとても有効だと感じます。

2021年 9月号 《 vol.73-2 》

口腔がんを早期発見する定期検診

口腔がんを早期発見する定期検診

歯ぐきや舌など、口腔内の歯以外を口腔粘膜と言い、口腔粘膜には細菌の侵入を防いだり、痛覚、触覚、温度覚を伝える役割や、免疫的防御機能も担っています。
口腔粘膜の病気でイメージが強いのは「口腔癌(こうくうがん)」ではないでしょうか?
口腔癌は、大きく進行するまで痛みが出ないこともあり、初期の段階では口内炎に似ていることから、本人が自覚するまでに時間がかかる場合が多くあります。
世界的にみると、先進国では口腔癌での死亡者数は減少傾向にありますが、残念ながら日本においては増加傾向となっています。
先進国において、日本では歯科定期検診の受診率が低いことが、口腔粘膜異常の発見が遅れる大きな要因となっています。
当院では、初めて来院された方や定期検診で来院された方への検査として、むし歯や歯周病だけでなく口腔粘膜の状態も診査し、口腔粘膜に問題がある場合は口腔外科専門医院と連携することで、早期発見、早期治癒に努めています。

2021年 9月号 《 vol.73-1 》

運動が脳を鍛える!

運動が脳を鍛える!

皆さんは、脳細胞について考えられたことはないでしょうか?
脳細胞は、年齢を重ねるほどに減っていく、生まれたときに数は決まっているというようなイメージを持たれていないでしょうか?
ハーバード大学医学部のジョン・レイティ教授の著書「脳を鍛えるには運動しかない」では、脳を発達させるためには、勉強よりも運動の方が大切であることが伝えられています。
運動と脳には、どのような関係があるのでしょう?
運動をすると、脳の海馬に多く存在するBDNFという物質が分泌され、記憶力や学習能力が向上することが実験で立証されています。
この実験は、シカゴのネーパーヴィル大学で行われ、1時間目が始まる前に体操やランニング、ダンスなどの有酸素運動を実施しました。
運動をした生徒は、成績が17%も向上し、ネーパーヴィル大学は理科世界1位、数学世界6位の成績を残すことができたうえに、実験に参加した生徒は肥満や血圧、心拍数も改善しました。
また、運動によってセロトニンが分泌されることから、精神疾患予防や改善にも大きな効果も期待でき、週2回の運動で認知症リスクを50%も減少させることも報告されています。
鍛えることが難しそうな脳や精神ですが、意外にも身近な「運動」という習慣と大きな関係があるそうです。

2021年 8月号 《 vol.72-3 》

大谷選手とマインドマップ

大谷選手とマインドマップ

現在、メジャーリーグで二刀流として大活躍をしている大谷選手は高校時代に「8球団からドラフト1位指名」という目標を立て、その目標に向かうために必要なことを図にしていました。
このような図をマインドマップなどと呼びますが、近年では多くの企業でも取り入れられています。
マインドマップは、1960年代にイギリスのトニー・ブザンが考案したもので、頭の中にある思考や連想されていくことを「見える化」するための仕組みです。
マインドマップは、創造性を高め、記憶や学習、発想などに高い効果を発揮すると言われており、一目で自分のやるべきことが把握できるツールのため、仕事や勉強だけでなく私生活でも活用できるのではないでしょうか。
マインドマップは、もちろんノートに手書きで作成することもできますが、作成を分かりやすく進めることができる無料アプリもたくさんありますので、目標がある方や考えがまとまらない課題がある方は、是非お試しください。

2021年 8月号 《 vol.72-2 》

CAD/CAMシステムによる高精度なむし歯治療

CAD/CAMシステムによる高精度なむし歯治療

CAD/CAM(キャドキャム)システムのプランメカフィット治療は、高精度なむし歯治療を可能にすることができます。
むし歯治療では、むし歯になってしまった部分を削り、削り取った部分を被せ物などで修復します。
プランメカフィットは、削った歯の模型や口腔内を専用スキャナーで読み込み、精度の高い修復物を製作します。
修復物は、圧縮されたブロックをミリングマシンで削り出し製作され、ブロックにはセラミック素材や歯科用プラスチック素材など、多くの種類があります。
治療部位や歯の状態に合わせて、最適なブロックを選択することもプランメカフィット治療では大切な要素となります。

2021年 8月号 《 vol.72-1 》

CAD/CAMシステム治療技術の向上を目指して

CAD/CAMシステム治療技術の向上を目指して

先日、当院で新たに導入した最先端歯科医療のCAD/CAM(キャドキャム)システムの治療について勉強会に参加しました。
CAD/CAMシステムは、コンピュータ制御によって歯の修復物(詰め物・被せ物)を設計・製作する治療システムで、当院のプランメカフィット治療になります。
勉強会には、当院と同じCAD/CAMシステムを導入している歯科医師4名が集まり、実際の臨床を想定した形式で行いました。
CAD/CAMシステムのプランメカフィット治療は、設備を導入するだけで患者様の健康に繋がる質の高い治療に繋がる訳ではありません。
この治療システムを活かすための知識や治療技術も必要になるため、製作された被せ物の接着やシステムの機能などについて深い知識と技術が必要になります。
今後もより質の高いプランメカフィット治療を届けていくための学びを継続していきます。

2021年 7月号 《 vol.71-3 》

金属資源高騰による銀歯への影響

金属資源高騰による銀歯への影響

数年前にむし歯治療で銀歯を入れたときと比べて、治療費が高くなっていると感じた方はいないでしょうか?
銀歯は、その名の通り「銀」で作られていると思われる方も多いと思いますが、その成分は金12%・銀46%・パラジウム20%とその他銅や亜鉛を加工し作られています。
それらの金属は限りある資源としてや世界情勢、自動車産業などの影響により急激な高騰が続いています。
特に、金やパラジウムは2016年頃から異常な値上がりを続けており、15年ほど前に比べると約5倍の価格となっています。
保険が適用される銀歯は、相場に合わせて定期的に治療費が改定されており、国によって定められた治療費は、全国の歯科医院で同じ治療費になります。
当院で導入しているCAD/CAMシステムのプランメカフィット治療は、保険適用外のセラミックのほか、保険適用の白い被せ物を作製することができ、銀歯の被せ物と比べても金額差が少ないことから、プランメカフィット治療を選択される方もいらっしゃいます。
治療費について不安がある場合は、お気軽にお尋ねください。

2021年 7月号 《 vol.71-2 》

最先端歯科治療システム導入②

最先端歯科治療システム導入②

プランメカフィットは、セラミックの被せ物を作製することもできます。
セラミックは、自然な色調の美しいだけでなく、治療した歯が再びムシ歯になってしまうムシ歯の再発リスクや細菌の付着率も銀歯に比べ大幅に軽減できます。
また、プランメカフィットでセラミックを作製する場合は、専用スキャナーで歯を直接撮影し被せ物を作製できる場合もあります

最先端歯科治療システム導入②

精度が高く自然な美しさのプランメカフィット治療は、これからの患者様の健康につながるセラミック治療です。
プランメカフィットのセラミック治療や保険適用の白い歯については、当院スタッフまでお気軽にお尋ね下さい。

2021年 7月号 《 vol.71-1 》

最先端歯科治療システム導入①

最先端歯科治療システム導入①

先月、プランメカ社「プランメカフィット」を新たに導入しました。
プランメカフィットは、お口の中を専用スキャナーで撮影し、そのデータを基に「保険適用の白い被せ物」や「セラミック素材の被せ物(自費治療)」を作製する先進医療で、CAD/CAM(キャドキャム)システムと呼ばれています。
プランメカフィットで「保険適用の白い被せ物」を作製する場合は、歯の型取りを行なってから歯の模型を作製し、模型を専用スキャナーで読み込みデータ化します。
歯やお口の状態のデータをミリングマシンに送信することで、これまで歯科技工士が作製していた「保険適用の白い被せ物」を院内で作ることが可能になります。
治療期間が短縮できる場合も多くなったほか、銀歯のように金属アレルギーリスクもなく、美しい被せ物を作製することができます。

2021年 6月号 《 vol.70-3 》

治療を繰り返し歯を失うデススパイラル

治療を繰り返し歯を失うデススパイラル

歯は何回も治療できないことをご存知でしょうか?
一度治療を受けた歯は、数年後には再びむし歯になることが多く、繰り返しむし歯を削る治療を受けることになります。
このように数回のむし歯治療を繰り返すことで、やがて歯を失ってしまい、この過程を示したのが上イラストの「デススパイラル」と言います。
保険適用のむし歯治療を受けた歯は、平均5~6年で再びむし歯となり、再びむし歯の治療を受けるというデータがあります。
一方、セラミック治療を受けた歯は、17年後にも90%以上の歯の生存が認められているというデータがあります。
再治療までの期間が長くなることで、人生100年時代の現代において自分の歯で健康的に過ごすことができる可能性が高まります。
自分の歯がしっかり保たれることで生活習慣病や認知症などのリスク軽減になり、全身の健康維持にも繋がります。
当院では、むし歯が繰り返されることがないように、治療後には定期的なお口のメンテナンスによってむし歯の原因となる細菌を取り除くほか、治療ではむし歯の再発リスク軽減に繋がるセラミック治療もご案内しています。

2021年 6月号 《 vol.70-2 》

先進国での銀歯

先進国での銀歯

日本人の3人に1人は何らかのアレルギー症状を持っていると言われており、花粉症などアレルギーの患者数は増加傾向にあります。
アレルギーは、花粉や食べ物など通常であれば問題がないものに対して免疫系が過剰に反応し、身体に様々な症状を引き起こしてしまう免疫機能障害です。
歯科治療において注意しているアレルギーは、麻酔薬や処方するお薬などがありますが、最近では「銀歯」が原因となる歯科用金属アレルギーの方が増加傾向にあります。
『銀歯』が原因の金属アレルギーの症状は、銀歯の近くの粘膜や口腔内全体が荒れた状態になったり、手や足の皮膚の荒れなどにでるものもあります。
日本では一般的な銀歯ですが、ドイツやスウェーデンをはじめとする国では、口腔内での使用を禁止する法律や、使用を推奨しないと勧告している国が多く、アメリカなどでもほとんど使用されていません。
治療後の健康を守る治療法を選択することも大切です。

2021年 6月号 《 vol.70-1 》

CAD/CAMシステム臨床勉強会

CAD/CAMシステム臨床勉強会

先月、当院でも導入を検討中の先進歯科医療の一つである「CAD/CAM(キャドキャム)システム」を学ぶため、勉強会に参加しました。
CAD/CAMシステムとは、専用スキャナーで撮影した口腔内や模型の情報をコンピュータ処理をすることでデータ化し、専用機器によって被せ物などを作製する治療システムです。
CAD/CAMシステムは、欧米では歯科大学のカリキュラムにもなるほど普及しています。
日本で導入されている歯科クリニックは少数ではありますが、その高い信頼性から少しずつ普及してきています。
今回の訪問勉強会では、診療での具体的な活用や、CAD/CAMシステムの最新情報などをシステムを実際に動かしながら実践的に学ぶことができました。
このような治療の質を向上させ、患者様が受ける治療の負担も軽減できるシステムが、益々普及していくことの可能性を感じました。

2021年 5月号 《 vol.69-3 》

最初の永久歯 ~大切な6歳臼歯~

最初の永久歯 ~大切な6歳臼歯~

6歳になる頃に、一番奥に生えてくる歯を「6歳臼歯」と言います。
6歳臼歯は、乳歯から永久歯へ生え変わるときに、最初に生えてくる永久歯になります。
また、6歳臼歯は、食べ物を噛む、砕く、すりつぶすといった働きや、上下の歯の正しい噛み合わせにも影響する重要な役割も持っています。
大切な6歳臼歯ですが、生え揃っている乳歯の一番後ろから生えてくるため、生え始めたことに気づかず、むし歯になってしまうことが多いので、特に注意が必要になります。
乳歯が生え揃ってからの毎日の仕上げ磨きのときに、6歳臼歯の生え始めを見逃さず、むし歯から6歳臼歯を守りましょう。

2021年 5月号 《 vol.69-2 》

バランスが大切な自律神経

バランスが大切な自律神経

最近、疲れや眠気、動悸や息切れなどを感じることはありませんか?
このような症状がある場合、自律神経が乱れているせいかもしれません。
自律神経は、末梢神経の1つで、自分の意思で動かす運動神経などの体性神経とは違い、自分の意思で動かすことができない神経です。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、この2つの神経バランスが大切と言われています。
自律神経の良いバランスを保つためには、生活習慣と食習慣、適度な運動という健康維持にも欠かせない3つの要素が大切です。
生活習慣では、寝起きから神経を興奮させないためにも少し早起きして余裕のある行動と1杯の水を飲み、陽の光を浴びることや、就寝の1時間半前に入浴することが効果的です。
食習慣では、お酒やタバコは控え、免疫細胞の75%が存在する腸を整えるために、食物繊維(発酵食品・納豆・チーズ・味噌汁)を意識的に摂取すると良いでしょう。
運動は、あまり激しくない方が良く、30~40分のウォーキングが効果的です。
また、根拠のない焦りや不規則な生活はできるだけ避け、音楽鑑賞や笑顔でいることを増やすことで気持ちを安定させることも自律神経を整えるために効果があります。

2021年 5月号 《 vol.69-1 》

歯は神経も血管もある大切な臓器

歯は神経も血管もある大切な臓器

「歯の神経」と聞くと、皆さんはどのような形をイメージするでしょうか?
歯の中を1本の線が通るようなイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、歯の神経の形は個人差があり、とても細く複雑な形となっています。
歯の神経は、痛みや温度などの感覚を伝達する大切な役割があります。
また、歯の神経には、いくつもの毛細血管が繋がっており、この毛細血管が歯に栄養を届けています。
歯に痛みを感じる原因には、むし歯のほかに、噛み合わせの問題や間違った歯ブラシ方法があります。
大きなむし歯によって、むし歯菌が神経の近くまで到達すると、歯の神経を取る治療を行い、神経を取った部分に専用の材料を入れて封鎖する処置をします。
神経を失った歯は、同時に毛細血管も失うため「失活歯(しっかつし)」と言い、見た目は通常の歯でも、栄養は届かなくなるため、最終的に歯を失うリスクも上がってしまいます。
歯は、神経も血管もある臓器の一つという意識を大切に、毎日のセルフケアや歯科定期メンテナンス、早期受診で口腔健康を守りましょう。

2021年 4月号 《 vol.68-3 》

差し歯(被せ物)を支える大切な土台

差し歯(被せ物)を支える大切な土台

「差し歯」とは、どのようなものかご存知でしょうか?
差し歯は、比較的大きなむし歯治療のときに、歯を削った後に被せる「歯の被せ物」のことを言い、クラウンとも言われます。
差し歯(被せ物)の構造は、どのようになっているのでしょう。
差し歯は、大きな虫歯での治療法になるので、多くの場合歯の根だけしか残せない状態になります。
その為、歯の根に人工の土台を立て、補強する必要があります。
そして、土台を補強し構築した後に、差し歯を被せて歯の修復が完了になるため、土台は差し歯を支えるためにも大切な役割を持っています。
差し歯の治療では、土台を構築するための歯の型取りと、差し歯を作るための型取りが必要なため、通常型取りは2回行ないます。
また、差し歯をセラミック素材にすることで、銀歯よりも歯の根や口腔健康の維持につながります。

2021年 4月号 《 vol.68-2 》

お子様の歯を守る仕上げ磨き

お子様の歯を守る仕上げ磨き

2月号のミニミニ新聞では、お子様の乳歯が生えてきたときの、仕上げ磨きの大切さをお伝えしました。
親御さんによる仕上げ磨きは、お子様が小学生を卒業するまでは、必要になります。
仕上げ磨きでは、むし歯になりやすい「上の前歯」や「奥歯の噛み合わせ部分」「歯と歯の間」を特に注意してしっかり磨いて上げることが大切です。
また、歯と歯の間は歯ブラシでは磨けないことが多いため、定期的にフロスや歯間ブラシを使用することも、むし歯予防に効果があります。
仕上げ磨きをしながらお口の状況を観察し、気になることがあれば歯科医院で相談されることもオススメします。
毎日の積み重ねが、お子様の健康なお口を育み、将来の健康へと繋がります。

2021年 4月号 《 vol.68-1 》

新型コロナウイルス感染予防に繋がる口腔衛生

新型コロナウイルス感染予防に繋がる口腔衛生

お口の中には、どのくらいの細菌が生息しているかご存知でしょうか? 一般的な成人のお口の中には、300~700種類の細菌が生息しており歯磨きなどのケアをほとんどしていない人では1兆個もの細菌が生息していると言われています。
免疫力と口腔環境には深い関係があり、特に歯周病の方は、免疫力の低下だけでなく、心筋梗塞や糖尿病などの全身疾患リスクも大きくなります。
また、最近ではお口が衛生的な人ほど、新型コロナウイルスの感染リスクが低く、万が一感染しても重症化を抑えられる可能性が高いという報告もあります。
お口の衛生環境が悪いと歯周病になり、慢性的に歯ぐきが炎症している状態になるため、出血や腫れが起こります。
このような状態は、新型コロナウイルスなどが口腔粘膜の細胞に結合しやすくなるほか、口腔粘膜の細胞表面を破壊し細胞内にウイルスが侵入しやすくさせてしまいます。
ウイルスから身体を守るためにも、お口の衛生環境は大切になりますので、毎日のセルフケアと歯科メンテナンスで口腔衛生を維持することが大切です。
参考:神奈川県歯科医師会HP

2021年 3月号 《 vol.67-3 》

3月29日はマリモの日

3月29日はマリモの日

マリモは、昭和27年3月29日に国の天然記念物に指定されたことから、3月29日は「マリモの日」となっています。
マリモは、北海道をはじめ、青森県や秋田県、山梨県などの北半球に広く生息していますが、天然記念物に指定されているのは、北海道の阿寒湖に生息しているマリモだけです。
阿寒湖のマリモは球体なのに対して、その他の地域のマリモは、 丸い形をしているわけではなく「繊維状の緑藻」が集まって丸い形を作り出しています。
阿寒湖のマリモだけが球体で育つ理由として、地形や風、水の流れ、湖底の環境など、様々な条件が揃うことと考えられていますが、現在でも解明はされていません。
阿寒湖のマリモは、国の天然記念物のため、捕獲や販売はできないので、お土産屋さんで販売されているマリモは、実は他の地域で仕入れたマリモを丸めて販売しているようです。

2021年 3月号 《 vol.67-2 》

口腔健康を守る細菌コントロール

口腔健康を守る細菌コントロール

1月号のミニミニ新聞では、プラークの住処となる「歯石」について2月号では、むし歯や歯周病の原因となる「プラーク」について、お伝えしました。
プラークや歯石を減らすことが、お口の健康を守ることに繋がります。
そのためには、毎日の歯磨きなどのセルフケアと歯科医院での定期メンテナンスを欠かすことはできません。
プラークが、むし歯や歯周病の原因となるため口腔内にあるプラークの数を減らすことができれば、そのリスクは大きく軽減することが可能になります。
毎日の歯磨きでは、できるだけフロスや歯間ブラシを使用して歯と歯の間にあるプラークを取り除くことが大切です。
また、歯科医院での定期メンテナンスでは、歯磨きでは難しい歯と歯ぐきの隙間などにあるプラークや歯石を専用の機器で取り除くことができます。
口腔内からプラークを無くすことはできませんが、その数をコントロールし減少させていくことが、むし歯や歯周病リスク軽減に繋がります。

2021年 3月号 《 vol.67-1 》

大切なマスク習慣でも呼吸に気をつけて

大切なマスク習慣でも呼吸に気をつけて

皆さま、体調にお変わりないでしょうか?
昨年より、日本を含め世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスに罹患された方や感染拡大によって、生活に影響を受けられている皆様に心よりお見舞い申し上げます。
新型コロナウイルスによって、大きく変わった習慣の一つがマスクの着用ではないでしょうか。
感染予防対策として有効なマスクですが、息苦しさから口呼吸になってしまう方が増加傾向にあります。
口呼吸になると、お口の中が乾燥することで、殺菌効果の高いだ液が不足してしまい「むし歯」「歯周病」「口臭」の原因になる場合があります。
最近になって、歯ぐきが腫れてきたり、歯の着色が目立つようになったという方は注意が必要なため、鼻で呼吸することを意識することが大切になります。

2021年 2月号 《 vol.66-3 》

乳歯が生えたら歯磨き練習と仕上げ磨き

乳歯が生えたら歯磨き練習と仕上げ磨き

赤ちゃんの歯(乳歯)は、個人差はありますが、おおよそ4~6ヶ月頃に下の前歯から生え始めます。
先月号でお伝えした乳歯が生える前の習慣と同じように、乳歯が生えてからは、歯磨きの練習を始めることが大切です。
まずは、子供が自分で歯ブラシを持ち、お父さんやお母さんと同じような歯磨きの動きをマネすることから始めることで、歯磨き習慣を身につけています。
歌やリズムに合わせながら楽しい雰囲気づくりを心がけるのも良いでしょう。
また、1日1回以上は、お父さんやお母さんによる仕上げ磨きも大切で、特に夜は必ず仕上げ磨きをしてあげてください。
仕上げ磨きでは、むし歯になりやすい上の歯の裏側や奥歯に注意しながら、鉛筆持ちで歯ブラシを握り、力を入れずに細かく磨くと効果的です。
お口の健康の基礎は、3歳頃までにつくられるので将来の健康につながる歯磨き習慣を大切にしてください。

2021年 2月号 《 vol.66-2 》

むし歯・歯周病の原因プラーク

むし歯・歯周病の原因プラーク

プラークは、歯垢(しこう)とも呼ばれますが、お口の健康にどのような影響を与えるかご存知でしょうか?
プラークは、歯の表面に付着している細菌のかたまりで、強い粘着性があるため、うがいで取れることはなく、舌で触るとザラザラした感触があります。
このプラーク1mg当たりには、細菌が約1~2億個も存在していると言われています。
プラークには、酸が含まれているため、歯に付着したまま放置していると歯を溶かし、むし歯になってしまうほか、歯周病の原因にもなります。
プラークを取り除くためには、毎日しっかり歯を磨くことや、フロスや歯間ブラシで歯と歯の隙間の清掃などのセルフケアが大切になります。
歯と歯の隙間のほか、奥歯や歯と歯ぐきの境目、歯と歯ぐきの隙間などセルフケアでプラークを取り除くことが難しい部分もあるため、定期的に歯科医院でお口のクリーニングを受けることが、むし歯や歯周病予防にとって大切になります。

2021年 2月号 《 vol.66-1 》

口腔健康と全身健康を守るための口腔衛生

口腔健康と全身健康を守るための口腔衛生

歯周病は、糖尿病や心筋梗塞・脳梗塞をはじめ、アルツハイマー型認知症など全身健康と深い関係性があります。
歯周病と全身健康と同じように、口腔衛生と細菌感染にも深い関係性があることをご存知でしょうか?
むし歯や歯周病の原因となる口腔細菌は、どのように体の中に侵入するのでしょう。
口腔内の粘膜や細胞の表面は、細菌やウイルスから守るためのバリアの役割を持っています。
口腔細菌は、このバリアを剥がし、粘膜内にある毛細血管に侵入することで血流に乗って全身へと運ばれていきます。
むし歯や歯周病でも痛みなどの症状がない場合もありますが、そこには必ず細菌が存在しているため、しっかりと治療を受け、口腔内を衛生的にすることが、歯や口腔健康を守ることに繋がります。
また、口腔健康に自信を持たれている方も、歯磨きなどの毎日のセルフケアや、セルフケアでは取り除くことが難しい口腔細菌を除去する歯科定期メンテナンスの受診が、お口と全身の健康維持にとって大切です。

2021年 1月号 《 vol.65-3 》

乳歯が生える前の習慣づくり

乳歯が生える前の習慣づくり

赤ちゃんの歯(乳歯)が生え始めるまで、個人差はありますが、おおよそ4~6ヶ月ほどかかります。
生後4~6ヶ月くらいで、下の前歯から生え始めますが、歯が生え始める前から歯磨きに慣れるための習慣づくりをすることで、歯磨きに抵抗感を持たない子どもに育つことが多くなります。
「歯磨きに慣れるための習慣づくり」は、特別なことはなく、普段の生活でのスキンシップに少しプラスする程度です。
赤ちゃんには、手のひらで頬を触ったり、清潔な指でくちびるの周りや、歯ぐきに軽く触れるスキンシップを行なうだけです。
たまに、乳歯が生えてきていないかのチェックのために、お口の中を見ることも、歯磨き習慣の大切な一歩になります。
また、歯ブラシを自分で握って持てるようになると、自由に歯ブラシを持たせ、歯ブラシを口の中に入れることに慣れるのも大切です。
お子様が歯ブラシを持っているときには、保護者の方は目を離さず、歯ブラシを持ったまま歩き回るなどの危険から守るためにも、注意が必要になります。 歯磨きへの抵抗感を無くし、自然に歯磨き習慣を身につけることが理想的と思います。

2021年 1月号 《 vol.65-2 》

歯周病の原因となる細菌の住処

歯周病の原因となる細菌の住処

治療や定期検診で歯科医院に通院されている中で、「歯石(しせき)」という言葉を耳にすることがあると思います。
歯石と聞くと、お口の健康にとって悪いモノというイメージはあっても、実際にどのような問題があるのかご存知ない方もいらっしゃると思います。
歯石は、磨き残しなどが原因となって発生する「細菌の塊(プラーク)」が、そのまま放置されることで、だ液に含まれるリン酸カルシウムと反応し、硬い石のような状態(石灰化)になったものです。
歯石そのものが悪さをすることはありませんが、歯石の表面は軽石のようにザラザラでデコボコしており、口腔健康に悪影響を与える細菌にとって絶好の環境となります。
細菌の良い住処となる歯石があると、細菌も増殖し、歯周病や口臭を引き起こす大きな要因になります。
歯石は、歯磨きで除去することは困難なため、定期的に歯科医院でお口のクリーニングを受診し、専用の器具などを使って歯科衛生士によって取り除くことが、お口の健康を守ることにも繋がります。
また、歯石ができないためにも、毎日の歯磨きや歯科定期検診で、いつもお口を衛生的な環境で維持していくことも大切です。

2021年 1月号 《 vol.65-1 》

2020年最後のミニミニ新聞

2020年最後のミニミニ新聞

皆さま、新年明けましておめでとうございます。
今年は、これまでのお正月とは少し違った過ごし方をされた方も多かったと思いますが、皆様どのように過ごされましたでしょうか?
当院は、今年の12月で移転リニューアル5周年を迎えます。
改めて気持ちを引き締め、患者様はじめ、地域の皆様や共に働くスタッフへの感謝の気持ちを忘れず、基本を大切にしっかり歩んでいきたいと思います。
様々な変化がある時代ではありますが、患者様の健康に向き合い、生活に寄り添うために、質の高い歯科治療を届けていくという気持ちは変えることなく、成長していきたいと思います。
2021年、皆様の健康と笑顔を守れる歯科医院を目指し、学びを継続していくためにも当院も様々なことに挑戦していきたいと思います。
本年も「横山歯科クリニック」をどうぞ宜しくお願い致します。

2020年 12月号 《 vol.64-3 》

大切なお母さんの健康

大切なお母さんの健康

お子様のお口の健康を守っていくためには、お父さん、お母さんなど家族のお口の健康も大切です。
特に、子どもと生活の長い時間を過ごすことが多いお母さんのお口の健康状態は、子どもへの影響も大きくなります。
お母さんのお口の中に、むし歯菌や歯周病菌などの悪い細菌が多い場合は、子どもにその細菌が感染する可能性も高くなってしまいます。
もし、お母さんのお口の性質が健康的でない場合には、適切な診療プログラムによって健康なお口を目指します。
お母さんのお口が健康的でない時期には、お子様とお箸やコップの共有は避けた方が細菌の感染リスクの軽減に繋がります。
子どもは、3歳になるまでのお口の衛生管理が特に大切ですが、3歳以降も定期的に歯医者さんでお口のメンテナンスを受けることが将来の口腔健康につながります。
お母さんと子どもが、安心できるスキンシップとるためにも、お母さんのお口の健康を守ることが大切です。

2020年 12月号 《 vol.64-2 》

健康を守り続ける定期メンテナンス

健康を守り続ける定期メンテナンス

皆さんは、『なぜ年を重ねるうちに歯が失われていくのか?』と考えられたことはないでしょうか?
ムシ歯になっても治療によって完治するものであれば、歯は失われることはありません。
しかし、治療を受けた歯が数年後にまたムシ歯になってしまうこともあるため、一度歯科治療を受けたからといって『これで大丈夫』『この先も健康』ということではありません。
歯には自然治癒力も無いため、治療を受けた歯をどのようにして守っていくのかが重要になります。
その為には『なぜムシ歯になったのか?』の原因や経緯を理解し、その上で、繰り返さない、または進行を遅らせる為の予防・定期検診がとても大切です。
予防のためには、歯科医院でお口の清掃・クリーニングだけでなく、患者様のセルフクリーニング(歯磨きなど)も大切になります。
当院では、皆様のお口の健康をお守りするために、定期検診をご案内させて頂いております。
定期検診では、ムシ歯や歯周病のリスクを減らすための、お口のクリーニングや、早期発見するための診断を行います。

2020年 12月号 《 vol.64-1 》

2020年最後のミニミニ新聞

2020年最後のミニミニ新聞

2020年最後の「ミニミニ新聞」となりました。
ミニミニ新聞は、当院が移転開院する前の2015年秋のから毎月発刊で始め、今号で64号を迎えることが出来ました。
今年は、新型コロナウイルスによって、私たちの生活に大きな変化が生まれました。
改めて、新型コロナウイルスに罹患された皆さまと感染拡大によりお仕事や私生活に多大な影響を受けられている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
私たち歯科医療従事者にとっても、新型コロナウイルスの影響は大きく、来院患者様の制限やこれまで以上の感染予防対策をしての診療など、新たな挑戦の一年となりました。
また、多くの学会や臨床セミナーが中止となるなか、オンラインセミナーという新しい形式も広がったように、困難な状況だからこそ生まれるものもあるという発見もありました。
来年は、皆様の健康と、安心と安全が守られる生活になることを願います。

2020年 11月号 《 vol.63-2 》

歯周病と認知症の関係

10月15日のテレビ放送「ミヤネ屋」で、歯周病とアルツハイマー型認知症の関係性について特集されました。
認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症は、脳の萎縮(いしゅく)が特徴のアルツハイマー病によって起こる認知症です。
物忘れなどの「記憶障害」や「判断力の低下」が症状として現れます。歯周病とアルツハイマー病の因果関係についてはまだ不明な点もありますが、いくつかの実験結果では歯周病がアルツハイマー病の悪化因子であることの報告が上がっています。
歯周病を持っている場合、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質が多くみられることから、お口の中の歯周病菌や炎症の原因となる物質が、血流に乗り脳に運ばれることで影響を与えていると考えられています。
アルツハイマー型認知症の人は、健康な人よりも歯の本数が少なく、また、残っている歯が少ない人ほど脳の萎縮が進んでいたということが報告されています。
この結果は一本でも多く歯を守り、しっかり噛むことがアルツハイマー型認知症の予防につながることを示唆しているのかもしれません。

歯周病と認知症の関係

2020年 11月号 《 vol.63-1 》

歯を守り続けるために

予防歯科は、むし歯や歯周病からお口の健康を守る取り組みになりますが、治療後の健康を守り続けることも予防歯科になります。
問題を繰り返さず健康を守り続けるためには、どのような治療を選択するのかも大切なポイントです。
むし歯になってしまったとき、皆さんはどのような基準で治療方法を選択されていますか?
当院では、一人ひとりの患者様にさまざまな治療方法についてご提案しております。

歯を守り続けるために

『歯は年齢とともに失われる』と考えている方も多いと思います。
多くの場合は、むし歯になってしまい治療を受けた歯は、治療で使用した材料の劣化やさまざまな要因により、いずれはむし歯が再発して、再治療が必要になってしまいます。
しかし、毎日の歯磨きなどのセルフケアや、歯科医院での定期メンテナンス、正しい治療の選択によって、いつまでも健康なお口を維持することが可能になります。

2020年 10月号 《 vol.62-3 》

口腔健康が乱れやすいマタニティ期

口腔健康が乱れやすいマタニティ期

口腔健康にとって、マタニティ期(妊娠中)は、つわりによる嘔吐や唾液の減少によって口腔内が酸性になりやすく、ムシ歯や歯周病のリスクが上がってしまうため、特に注意が必要な時期でもあります。
マタニティ期は、歯磨きがつらくできないことや、食生活にも変化が出る場合もあり、偏食によって口腔環境に悪影響を与えてしまうこともあります。
マタニティ期は、体調が優れない日も多くなるため、通院が困難になってしまったり、麻酔やお薬に制限が出てしまうため、日頃から定期的に歯科健診を受診し口腔健康を守っていくことが大切です。
マタニティ期でも、ムシ歯などお口に問題がある場合は、つわりが落ち着いた時期に歯科健診を受診し、可能な範囲での治療や口腔内のクリーニングによって、出産前に衛生的な口腔環境にすることも大切です。
来月号では、母親と子供のムシ歯についての関係性についてお伝えします。

2020年 10月号 《 vol.62-2 》

治療後の痛みについて②

むし歯の治療以外にも、歯の根の治療後に痛みを感じる場合もあります。
神経がない歯でも、根の治療後は薬の刺激によってその歯の根の周囲に痛みが出ることがあります。

【歯の根の治療後に痛みを感じる主な原因】
①膿が出やすい状態の場合、膿を出そうとする圧力による痛み
②根の治療の最後に入れる薬剤の圧力による痛み
③炎症を起こした周囲の組織や骨が回復するまでの痛み

治療後の痛みについて②

膿が原因の場合は、消毒処置を継続していくことで解消される場合が多いですが、炎症によって周辺組織や骨を破壊されていると、程度によっては元の状態までの回復は難しくなります。
通常は1週間ほどで痛みは消えますが、痛みを感じる場合には処方された痛み止めのお薬を服用ください。
歯の根の治療後もむし歯の治療と同様に、なるべく治療した歯では噛まないなど、治療によってダメージを受けている歯を守りながらの生活が大切です。
また、痛みが大きいときや痛みが長引く場合には、お気軽にご相談ください。

2020年 10月号 《 vol.62-1 》

治療後の痛みについて①

皆さんが歯医者さんへ向かうときは、どのような気持ちでしょうか?
「今日の治療は痛いかな?」「自分の歯がどのような状態か不安。」など、様々な疑問や不安を抱えて来院される方も多いと思います。
治療が終われば全て問題は解決され、健康を取り戻し、痛みからも解放されると思われる患者様もいらっしゃいます。
しかし、歯科治療は、ほかの怪我や病気と同じように治療や処置を受けたからといって、すぐに完治しないものも多くあります。
むし歯の治療では、治療中は麻酔をして痛みがなくても、歯を削るときの熱や振動などによって神経が刺激されることで、治療後も神経が過敏になり、炎症を起こしたり痛みが出る場合もあります。
治療後の痛みの多くは1週間ほどで消えますが、痛みを感じる期間は硬いものを噛んだり、冷たいものや熱いものが治療した歯に当たらないようにお気を付けください。
また、被せ物や詰め物の治療では噛み合わせも調整しますが、その後の食事などで痛みが1週間ほど続く場合は、噛み合わせの調整が再度必要になります。

治療後の痛みについて①

2020年 9月号 《 vol.61-3 》

健康な永久歯につながる乳歯の健康

健康な永久歯につながる乳歯の健康

親や保護者にとって子どもの健康は何より大切なことと思います。
病気やケガは治ることが多いですが、歯は失ってしまうと取り戻すことができません。
子どもの乳歯は、成長とともに抜けて永久歯に生え変わりますが、健康な乳歯が健康な永久歯を形成するため、やがて抜ける乳歯であってもムシ歯から守り、健康を維持することが大切です。
乳歯は、一般的に下の前歯から生え始め、2歳半~3歳頃までに全て生え揃います。
特に、乳歯の生え始めはムシ歯になりやすいため、毎日の歯磨きでは、生えてる歯を丁寧に磨くことと新しい乳歯が生えてきていないかのチェックをすることで、ムシ歯から乳歯を守ることが大切です。

2020年 9月号 《 vol.61-2 》

正しい食習慣で糖尿病予防

正しい食習慣で糖尿病予防

糖尿病または糖尿病の予備軍とされている日本人は、2,000万人以上と言われており、2000年前後の10年間で約1.5倍と上昇を続けています。
糖尿病になると、血糖値を体の力で下げることが難しくなります。
血糖値を下げるインスリンはすい臓で作られますが、すい臓への大きな負担が長期的に続くことで、インスリンを産生する機能が失われていきます。
一度失われたすい臓の機能が戻ることはないため、糖尿病予防を意識した生活が大切になります。
糖尿病を予防するためには、規則正しい生活と適度な運動習慣、正しい食習慣を心がけましょう。
糖尿病予防のための食習慣というと、糖分摂取を控えるという印象を持たれる方も多くいますが、すい臓に負担をかけにくい食事も大切です。
日本人のすい臓は欧米人に比べ弱く、肉類や乳製品は大きな負担となってしまいます。
お菓子やジュースなど余分な糖分はできるだけ減らし、間食や夜食を控えてすい臓を休ませることも大切です。野菜や魚を中心とした腹八分目の日本人らしい食習慣が、糖尿病予防に繋がります。

2020年 9月号 《 vol.61-1 》

適切な歯ブラシ選びと交換時期

適切な歯ブラシ選びと交換時期

当院では、それぞれの患者様のお口の状態に合った歯ブラシをご案内しております。
皆さんは、歯ブラシをどのような基準で選ばれていますか?
健康なお口や歯を守るための歯磨きをするためには、自分自身に合った歯ブラシ選びや、適切な期間での歯ブラシ交換が大切です。
歯ブラシには、それぞれブラシの硬さや大きさがあり、ムシ歯予防に適した歯ブラシや、歯周病予防・改善に適した歯ブラシがありますので、お口の環境や年齢によって適した歯ブラシを使用すると、より大きな効果を得られやすくなります。
また、歯ブラシの交換時期も大切なポイントになります。
歯ブラシのブラシ部分が広がってきたり、ブラシの硬さが変わってくると交換する必要があり、ブラシの毛先の状態が悪くなると新しい状態と比べ、約4割も汚れの除去率が低くなってしまいます。
自分自身のお口の環境に合った歯ブラシ選びと、1ヶ月ごとの歯ブラシ交換が質の高いセルフケアに繋がります。

2020年 8月号 《 vol.60-3 》

予防歯科を実践する歯科衛生士

予防歯科を実践する歯科衛生士

当院の診療方針の一つにある予防型歯科診療は、患者様の健康を長期にわたって守り続けることを基本とし、問題の早期発見と健康の維持増進を目指しています。
この予防型歯科診療のためには、歯科衛生士が欠かせない存在になります。
皆さんは、歯科衛生士の仕事にどのようなイメージをお持ちでしょうか?また、歯科衛生士と歯科助手の違いもご存知でしょうか?
歯科衛生士は、厚生労働省認定の歯科衛生士養成機関で3年間の専門的な教育を受け国家試験の合格が必要です。
お口のクリーニングや歯磨き指導など、歯科衛生士には認められ、歯科助手には認められていないことも多くあります。
歯科衛生士は、お口のクリーニングや歯科医師の治療サポートが主な仕事と思われている方もいますが、それだけではありません。
歯科衛生士は、専門的な知識と技術によって、担当する患者様のお口の状態を把握して健康を維持するためのメンテナンスや、むし歯・歯周病から健康を守る予防診療のエキスパートです。
横山歯科クリニックは、歯科衛生士はじめスタッフ全員のチーム医療で予防型歯科診療に取り組み続けます。

2020年 8月号 《 vol.60-2 》

口腔ケアと誤嚥性肺炎

口腔ケアと誤嚥性肺炎

先月号では、口腔ケアと糖尿病の関係についてお伝えしましたが、糖尿病の他にも、口腔健康と全身の健康には深い関わりがあり、その一つに『誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)』もあります。
『誤嚥性肺炎』とは、食べ物や飲み物、だ液などが誤って気管や気管支内に入り、肺に細菌が慢性的に流れ込むことで引き起こされます。歯周病などによって歯を失うことで、噛む力や噛み合わせに問題が生じることが一因となります。
食事中だけではなく、就寝中にもだ液が気管に入り込むため自覚症状がない方も多いのが特徴です。
高齢者の肺炎の75%は、誤って喉頭や気管に食べ物などが入ってしまう『誤嚥(ごえん)』に関連していることも言われています。
歯を一本でも失った場合には、適切な治療を受け、噛み合わせや咀嚼(そしゃく)、飲み込むなどのお口の機能を守ることが『誤嚥性肺炎』の予防に繋がります。
定期的に歯科医院でお口のメンテナンスを受けることが、お口の中の細菌を減らすことになり、正しい口腔機能をいつまでも守り続けることにもつながります。

2020年 8月号 《 vol.60-1 》

健康寿命を守るために

健康寿命を守るために

皆さんは、『オーラルフレイル』という言葉を聞いたことはありますか?直訳すると『口腔機能の虚弱』となります。
日常生活を問題なく過ごせる「健康寿命」を延ばすためにも、口腔機能がしっかりしていることが重要であり、オーラルフレイルが生じたときの早期治療や、予防・早期発見が非常に大切です。
ムシ歯・歯周病などで歯を失ってしまうと、食べ物を細かく噛んだり、噛んだものを飲み込むなどの基本的なお口の機能が低下し、食生活の変化にも繋がります。
食生活の変化によって、栄養バランスが乱れ、身体機能の低下などが引き起こされ、社会活動が出来ない・日常生活に問題が生まれる・寝たきりになってしまうなど、健康寿命に影響が出る場合があります。
お口の健康を守ることが、全身の健康を守ることにも繋がり、健康寿命を守ることになります。

2020年 7月号 《 vol.59-3 》

継続する新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスに罹患された皆さまと感染拡大によりお仕事や私生活に多大な影響を受けられている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
皆さまは体調にお変わりないでしょうか?
当院は、患者様はじめ現場で働くスタッフにとって安心できる医療環境を守るために、日頃の感染対策に加え新型コロナウイルス感染対策を現在も継続しております。
新型コロナウイルス感染予防として、受付にはパーテーションを設置し、お互いの感染リスクを軽減しています。
また、来院時にはアルコールでの手指消毒を引き続きお願いしております。
院内はできるだけ換気を行い、診療チェアだけでなく、手が触れる箇所については定期的にアルコールで清拭しております。
スタッフも出勤前には検温し、発熱症状や体調が優れない場合は自宅待機など適切な対応を定めています。
患者様はじめ、スタッフなど横山歯科クリニックに関わる全ての人の安全と安心を守る院内環境に取り組みます。

2020年 7月号 《 vol.59-2 》

口腔ケアと糖尿病

口腔ケアと糖尿病

下記のvol.59-1「安心できる環境で健康を守り続ける」でもお伝えしたように、お口の健康と全身の健康には深い関係性があります。
歯周病が、全身疾患に影響する場合もあり、糖尿病の合併症の一つに歯周病があげられています。 成人の糖尿病で多い2型糖尿病は、体内でインスリンの働きが不十分になり、免疫システムの低下が起こります。
免疫力の低下によって、糖尿病患者はインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、お口の中も同様に免疫力が低下することで、糖尿病患者は歯周病に2倍以上かかりやすくなり、歯周病の進行も早くなります。
そのほかにも、重度の歯周病の場合、血糖のコントールが悪くなるなど、歯周病と糖尿病には大きな関係があります。
歯周病の改善により、血糖のコントロールが改善する場合も多いことから、糖尿病を患っている方にとって口腔ケアはさらに重要になります。糖尿病は、40歳代から急速に増えますが、早い時期からの歯周病予防が発症リスク軽減につながります。

2020年 7月号 《 vol.59-1 》

安心できる環境で健康を守り続ける

安心できる環境で健康を守り続ける

横山歯科クリニックでは、以前より高水準の院内感染防止対策に取り組んできました。
当然ではありますが、患者様ごとに使い捨てグローブの着用、治療後は診療チェアの清拭、歯を削る機械(タービン、コントラ)なども交換し、毎回高性能な専用滅菌器などで洗浄・滅菌を行うなど、使用した器材はそれぞれに適した消毒・滅菌処理を行なっています。
4月中旬より、診療予約の制限や、お口の健康を守るために大切なメンテナンスも予約の延期または中止という対策も取らせていただきました。
メンテナンスの予約を延ばされていた方は、これまで以上にご自宅でのお口のセルフケアに取り組まれていたことと思います。
お口の健康は全身の健康に大きく影響することから、糖尿病の予防や改善、食べ物やだ液が肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎のリスク軽減にも繋がります。
また、お口の健康は免疫力を高めることにも繋がります。
今の健康とこれからの健康を守るために、これからもご安心してメンテナンスを受診してください。

2020年 6月号 《 vol.58-3 》

口腔ケアで免疫力の維持・向上

口腔ケアで免疫力の維持・向上

免疫力を向上させる為には、『運動・食事・睡眠』が大切とお伝えしましたが、お口の健康も免疫力に繋がります。
ウイルスなどは主にお口から侵入し、体内へと広がります。
しかし、お口の中はウイルスなどの入り口であると同時に、侵入を防ぐ役割も持っています。
お口の中は、歯以外は粘膜でできており、この粘膜が免疫として働いていることから、粘膜の健康が低下している状態では、免疫力も同時に低下してしまいます。
特に、歯周病の場合は、歯ぐきが炎症している状態になり、歯と歯ぐきの間に隙間(歯周ポケット)が生まれ、免疫力も大きく低下しているため、ウイルスや細菌の侵入を防ぐことが難しくなります。
インフルエンザにおいては、定期的にお口のメンテナンスを受けている人は、発症率が1%というデータもあります。
毎日の歯磨きやフロスを使った口腔ケアと、定期的な検診が健康なお口を守り、免疫力の向上にも繋がります。

2020年 6月号 《 vol.58-2 》

ウイルスと戦う免疫力 ~食事と睡眠~

ウイルスと戦う免疫力 ~食事と睡眠~

免疫力を向上させる「運動」のほかに、食事と睡眠も大切です。
ウイルスに対抗する免疫力には、乳酸菌やビタミンA・C・Eを摂取すると効果的ですが、骨や筋肉はもちろん、血液、皮膚、ホルモン、免疫細胞を構成する「たんぱく質」も欠かせません。
良質なたんぱく質は、鳥ささみ、マグロ、カツオに多く含まれており、1日体重1kgあたり1gの摂取が理想的です。
睡眠については、書籍「スタンフォード式最高の睡眠」でも記されていますが、慢性の睡眠不足による影響が心身に蓄積されていくことを「睡眠負債」と呼ばれています。
日本人は、1日の睡眠時間が6時間未満の人が40%もいますが、1日7時間の睡眠時間が理想的で、最低でも6時間は必要になります。
免疫力は、睡眠中に維持・強化されることからも、質の高い睡眠をとることがとても大切になります。

2020年 6月号 《 vol.58-1 》

ウイルスと戦う免疫力 ~運動~

ウイルスと戦う免疫力 ~運動~

新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るう中、その予防法や衛生管理などが注目されています。
現在、改めて考えさせられるのが「免疫力」ではないでしょうか?
免疫力とは、体の中の最大の防御システムで、ウイルスや細菌など体にとって悪さを働く外敵と対抗することで、健康状態を守ってくれる力のことです。
この免疫力は、生活習慣によって高めることができ、免疫力を高める為には『運動・食事・睡眠』の3つが重要になります。
運動によって筋肉を動かすと、血行やリンパの流れが良くなり、溜まった疲労物質を取り除くことで代謝が良くなる効果があります。
逆に運動不足によって筋肉量が減少すると、体温の低下が認められ免疫力の低下が起こります。
体温が1℃上昇することで、5倍~6倍の免疫力を発揮できるようになるという報告もありますが、激しい運動は一時的に免疫力の低下を引き起こすので、注意は必要です。
気持ちいいと思えるくらいの運動、ラジオ体操や軽度な筋トレなどがおススメです。

2020年 4月号 《 vol.56-3 》

健康を守る唾液の役割

健康を守る唾液の役割

顔や性格と同じように、唾液の性質は人によって違いがあることをご 存知でしょうか?
唾液には、むし歯や歯周病から歯やお口の健康を守る役割や、食べ物を飲み込むのを助けるなど、様々な役割があります。

2020年 4月号 《 vol.56-2 》

入れ歯のメンテナンス

入れ歯のメンテナンス

入れ歯には、失ってしまった歯の代わりとして、会話や食事など生活を支えるための大切な役割があります。
入れ歯を長期間安心してお使いいただくためには、毎日の入れ歯の お手入れが欠かせません。
日中お口の中にある入れ歯には、汚れや細菌が付着しているため、就寝前には入れ歯の水洗いが必要になります。
歯磨き用の歯ブラシとは別の入れ歯専用ブラシや歯ブラシで、入れ歯を傷つけないように歯磨き剤は使わずに優しく毎日洗い、部分入れ歯の場合はバネも丁寧に洗ってください。
水洗い後は、毎日入れ歯洗浄液を使用することで、入れ歯をより衛生的に保つことができます。
歯科医院専用の「入れ歯洗浄液」は、市販のものと比べて、入れ歯に与えるダメージを最小限に抑えながら洗浄するため、入れ歯の変色などを防止することができます。
入れ歯を衛生的に保つことは、残っている歯を守るなどお口の健康にも繋がりますので、お手入れ方法についての疑問などはお気軽にお尋ねください。

2020年 4月号 《 vol.56-1 》

新型コロナウイルス感染症の予防と拡散防止

新型コロナウイルス感染症の予防と拡散防止

従業員について
①出勤前に検温を行い、37.5度以上の発熱があった場合は出社禁止とし、症状の改善が見られない場合は保健所へ連絡し、判断を仰ぎます。
②同居の家族に同様の症状がある場合、また、ある第三者の罹患者の濃厚接触者となった場合も出勤禁止とし、保健所など行政の指導等に従います。
③従業員の体調管理報告を徹底します。
④昼休憩と診療後に窓を開けて定期的な換気を行ないます。

患者様へのご協力のお願い
①院内のドアノブ・スイッチなど接触が多い箇所について、頻度の高い消毒を行っております。また、スタッフのマスク着用を徹底しております。
②アルコール消毒をご用意しております。ご来院の際は、手指の消毒と手洗いをお願いいたします。
③ご予約をいただいている場合、当日の体調をご確認の上、来院ただきます様お願い致します。
患者様にご不便をお掛けすることもございますが、引き続きのご協力をお願い申し上げます。
横山歯科クリニック 院長

2020年 3月号 《 vol.55-3 》

お父さんお母さんの口腔健康と子供の口腔健康

お父さんお母さんの口腔健康と子供の口腔健康

お子様のお口の健康を守っていくためには、一緒に住む家族のお口の健康も大切です。
特に、家庭で子どもと生活の長い時間を過ごすことが多い方のお口の健康状態は、子どもへの影響も大きくなります。
お父さんやお母さんのお口の中に、むし歯菌や歯周病菌などの悪い細菌が多い場合は、子どもにその細菌が感染する可能性も高くなってしまいます。
お父さんお母さんのお口が健康的でない場合には、適切な診療プログラムによって健康なお口を目指します。
ご家族のお口の衛生状態が悪い時期には、お子様とお箸やコップの共有は避けることで、細菌の感染リスクを軽減することができます。
また、お子様が3歳になるまでは、特にお子様のお口の環境を衛生的に保つことが大切になり、この時期のお口の衛生管理が将来の虫歯リスクを下げることに繋がります。
ご家族と子どもにとって、安心できるスキンシップのためにも、家族みんなのお口の健康を守ることが大切です。

2020年 3月号 《 vol.55-2 》

快適な金属床義歯

快適な金属床義歯

食事や会話など、身近な喜びを支えるためにも大切な入れ歯です。 入れ歯には、たくさんの種類があり、大きく分けると保険適用と保 険適用外(自費)になります。
保険適用の入れ歯は、比較的安価ではありますが、使用する材料や入れ歯の設計などに細かな制限が決められているため、患者様の要望にお応えできない場合があります。
保険適用外(自費)の入れ歯には、決められた制限がなく、患者様のお口の状況に合わせた入れ歯の設計が可能になるほか、理想的な材料などを使用することで、より快適な入れ歯を作製することがで きます。
代表的な保険適用外(自費)の入れ歯に「金属床義歯(きんぞくしょうぎし)」があり、材料には金属を使用するのが特徴になります。
金属を使用することで、入れ歯を薄くできるため、会話がしやすくなることや、食べ物の温度を感じる美味しい食事を摂ることができます。
そのほかにも、違和感が少ない、汚れが着きにくい、耐久性に優れているため壊れにくいなどの特徴もあります。
現在の入れ歯で、会話がしにくい、食事が美味しく感じない、違和感があるなどのお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

2020年 3月号 《 vol.55-1 》

お口の体操で健康維持増進

お口の体操で健康維持増進

「噛む」「飲み込む」運動機能には、全身の健康にとても重要な役 割があることをご存知でしょうか?
お口の周りの筋肉や舌の運動、唾液の分泌が正常に機能しないと、飲み込みにくい・よくむせる・食欲減退・発語の困難など日常生活に影響が出る場合があります。
このような症状が、全身の筋肉や心身の活力の衰えに繋がり、歩行困難や誤嚥性肺炎、転倒しやすいなど、大きな問題の原因になります。
しっかり噛んで飲み込む食事をするためには、歯を守る以外にも、お口の筋肉や唾液の分泌を促進させる運動を行うことで、お口全体の健康を維持していくことが大切です。
上の①②の体操を生活の中に取り入れることで、唾液の分泌とお口の 筋肉の維持向上に繋がります。

2020年 2月号 《 vol.54-3 》

知覚過敏症から歯を守る

知覚過敏症から歯を守る

冷たいものや温かいものを口に入れたときに、「キーンッ」という 強い刺激を感じる「知覚過敏」を経験された方も多いのではないでしょうか?
知覚過敏症は、歯の表面を覆うエナメル質が壊れてしまうことで、歯の内部にある神経に刺激が伝わってしまうために起こります。
知覚過敏症の原因の多くは、歯ぎしりや強い噛み締め、歯周病など様々な要因がありますが、直接的な原因に「歯磨き」があります。
歯磨きのときに、歯ブラシを強く当てて歯を擦り過ぎたり、歯と歯ぐきの境目をキレイにしようと歯ぐきに歯ブラシを当て過ぎることで、歯ぐきが擦り減ることが原因になる場合があります。
知覚過敏症を予防するためには、定期検診で歯ぎしりや強い噛み締めが無いかの定期的な診断と、正しい歯磨き方法を確認することや、毎日の歯磨きでは、強い力で歯を磨かないことが大切です。
また、知覚過敏を感じた場合には、むし歯ができている可能性もあることから、早めに歯科医院で受診することも大切です。

2020年 2月号 《 vol.54-2 》

残存歯数と生涯医療費の関係

残存歯数と生涯医療費の関係

お口の健康と全身の健康に大きな関係があることはご存知でしょうか?
その関係のデータが、歯科医療と生涯医療に示されており、「残っている歯の数」と「生涯医療費」にも現れています。
「噛む」という運動機能は全身の健康につながる役割を持っていることをご存知でしょうか?
歯が多く残っていると、食事を飲み込むための嚥下(えんげ)機能も正常に働きますが、多くの歯を失い嚥下機能が正常に働かないと、痰(たん)やお口の細菌などが肺に入り込み「誤嚥性肺炎」を引き起こしてしまう場合もあります。
また、歯を失うことで、食事に制限が出ることも健康に影響を与えてしまう要因になります。
今ある歯やお口の健康を守るためには、毎日の正しい歯磨きと歯科医院で定期的にお口のメンテナンスを受けることが大切です。
また、むし歯などの治療は早期に受けることで、軽度な治療で終えることができるため、歯を守ることが出来ます。

2020年 2月号 《 vol.54-1 》

歯を守り続けるために

歯を守り続けるために

皆さんは、『なぜ年を重ねるうちに歯が失われていくのか?』と考えられたことはないでしょうか?
ムシ歯治療によってムシ歯にならない歯になれば、歯は失われずに済むかもしれません。
しかし、治療を受けた歯が数年後にまたムシ歯になってしまうこともあるため、歯科治療を受けたからといって『これで大丈夫』『この先もずっと健康』ということにはなりません。
自然治癒力のない歯をどのようにして守っていくのか?
その為には『なぜムシ歯になったのか?』の原因や経緯を理解し、その上で、繰り返さない、または進行を遅らせる為の予防がとても 大切です。
予防のためには、歯科定期検診を受けることで、ムシ歯や歯周病のリスクを減らすためのお口のクリーニングや、問題を早期に発見することが大切です。
また、歯磨きなど毎日の正しいセルフクリーニングも大切です。
当院では、皆様のお口の健康をお守りするために、定期検診をご案内しております。

2020年 1月号 《 vol.53-3 》

歯周病の治療と予防

歯周病の治療と予防

先日、私が所属する「札幌臨床歯科研究会」に参加し、症例発表も行なってきました。
私は、重度の慢性歯周炎の患者様の症例について発表し、改善に繋げる歯周治療への取り組みを伝えました。
歯周病は、成人の約8割もの人が感染している感染症です。
日常生活の中でお口の中に入った歯周病菌は、そのままお口の中に潜伏し、40歳頃になると増殖する傾向があります。
いきなり重度の歯周病になることはほとんどありませんが、歯周病は自覚症状がないまま進行し、自分で気づく頃には、歯ぐきから出血することが多くなったり、歯がグラグラするなどの症状がみられます。
自覚症状が出る頃には、重度の歯周病の場合が多くなります。近年は、重度の歯周病への治療方法で「組織再生療法」があり、健康を取り戻す可能性も上がっていますが、歯周病はお口を衛生的に管理していくことで、リスクを大幅に軽減することができます。
毎日の正しい歯磨きと定期的な歯科メンテナンスは、ムシ歯予防だけではなく、歯周病予防にも繋がります。

2020年 1月号 《 vol.53-2 》

いくらと痛風の関係

いくらと痛風の関係

クリスマスやお正月など美味しい食事のイベントが多く、体調を考えて食事制限をされた方もいるかと思います。
美味しい食事に関係する病気といえば「痛風」ではないでしょうか?
痛風は、血液中の尿酸が増加して関節内に尿酸の結晶をつくり、足の指などに激しい痛みを感じる関節炎を起こす病気です。
痛風になると、美味しい食事の摂り過ぎ、ビールの飲み過ぎ、魚卵の食べ過ぎなどと言われますが、少し誤解があるようです。
痛風の原因となる「尿酸値の上昇」は、飲食だけではなく、遺伝的要因やストレス、薬剤の影響、腎機能低下や血液の病気が影響することもあります。
痛風の原因となる「尿酸値の上昇」の要因となる『プリン体』は魚卵に多く含まれていると言われていますが、魚介類を比較すると、食材100gあたりのプリン体は、【いわし:約210mg】【エビ:約195mg】【マグロ:157mg】で「いくら」は約3.7mgしか含まれていないため、痛風への影響は少ないと言えます。
また、尿酸値を抑えるためには、ジョギングやウォーキング、水泳 などの有酸素運動が有効です。
現代では、健康について様々な情報が溢れていますが、正しい知識を得ることが大切です。

2020年 1月号 《 vol.53-1 》

新年のご挨拶

新年のご挨拶

新年、明けましておめでとうございます。
今年のお正月は、長く休みがとれたという方も多かったと思います。
また、新年ということで新たな目標を立てた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
横山歯科クリニックは、今年も患者様の健康に向き合い、生活に寄り添うために、健康と新しい笑顔につながる質の高い歯科治療を届けていきます。
今年は、8月に東京オリンピック開催や、オリンピック種目のマラソン・競歩は札幌で行われることになったため、大きな盛り上がりを期待しています。
2020年、皆様の健康と笑顔を守れる歯科医院を目指した成長を継続していくためにも当院も様々なことに挑戦していきたいと思います。
本年も「横山歯科クリニック」をどうぞ宜しくお願い致します。

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